月光島ライブ会場建設記
オンラインRPG『マビノギ』で、2024年10月27日に開催したプレイヤーイベント「月光島ライブ ~秋の夜長の収穫祭~」の会場として設営した月光島「ムーンライトパーク」のメイキング記事です。
月光島ライブ開催後記のページと対になっている内容ですので、そちらもあわせてお読みいただければと思います。

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地図

画像1-1は、月光島の初期状態の地形を、レトロゲームふうに描画したマップです。原寸で表示させないとドットがつぶれて見づらいかもしれません。領域拡張の各段階の範囲も示しています。
高さの値が0以外のマス目には数字を書き込んでいます。高さを扱うマス目は、設置物が置けるマス目の倍の間隔です。つまり、4段階に拡張した月光島の広さは、高さを扱うマス目が100×100、設置物が置けるマス目が199×199マスあります。設置物単位のマス目の1辺が1メートルにあたるので、月光島エリアの実質的な面積は3万9601平方メートルとなり、(あえてベタなたとえかたをすると)阪神甲子園球場の総面積よりもわずかに広いことになります。
ただし、高さを扱うマス目については、外周の縦横3マス幅は高さがいじれず、そのもう1マス内側の四辺は高さを1以上に上げられません。
もともと島の外側はゆるやかに傾斜して、高さ0の場合に砂地や海になるように決められているようです。
「広場」「入口」は地形ではなく設置物なので移動ができますけれど、規模感がわかりやすいようにマップに含めています。とくに広場のパーツの表現がお粗末ですけれど、別の用途でつくってあった画像素材を流用して急ごしらえしたものなので、そのへんは目をつぶっておいてください。

そして画像1-2が、会場となったムーンライトパークの全貌です。すこし欠けた月のような形をしています。広場の場所をいじってしまうと、入口を広場の中心近くに二度と戻せなくなるので、それらは動かさないことにしました。
広場のすこし北の高台に演奏会場があります。島の中心に近く、そこから見渡せば、四方の大半の範囲の設置物が欠けずに表示されます。端のほうは視野外となってしまいます。だからたとえば南東の小島なんかに設置物をいっぱい置いて凝ってもあまり意味がないので、ほとんど手をつけませんでした。
地面の高さを上下するたびに消費するアイテム「大地のエキス」、毎週10個までなら安く入手できるものの、それだけではとても間に合いません。正確に数えていないけれど、少なくとも1100個以上は使いました。島の建設時点では、競売場で安くても1個3万ゴールドでしたから、へたすると3300万ゴールドくらい飛んでいったかもしれません。実際には、素材だけ買って自力でつくったのがほとんどだから、もうすこし安く済んでいます。
計画的にやらないと破産するので、慎重な設計をしなければならないと思い、その為にこのようなマップをつくったのでした。
それだけなら紙とペンでマッピングして終わりでしたけれど、レトロなRPGっぽい画面を使って月光島ライブの案内動画をつくる、という構想(または妄想)が当初あって、画像1-1や1-2は実のところ、その計画の副産物でした。
地面の高さについては、次項で取り上げるように仕組みがあまり明快でなく、紙上で計画を練っても埒があかないとわかったので、結局は現地で実際に上げ下げしながら、多少リソースを無駄にしつつ試行錯誤を重ねていました。でも、しっかりマッピングしながらつくったのは無意味ではなかったと思います。
地形変化に関するメモ
地面の高さについて、もうちょっと文章化してみます。たとえば、高さ0の地面が続く平地で1マスだけ高さを持ち上げてみると、その周囲の高さ0のマスにも傾斜がつきます。

画像2-1は、地形変化モードで高さをいじっているときの画面を2つ並べたものです。左側は平らな高さ0の地面のようす、右側はその1マスを高さ3に上げたときのようすです。高くなったマスの周囲がなだらかに傾斜しているのが、グリッドの歪みから見てとれます。このように、見た目の高さは、地形変化モードで変えられる高さの値といつも等しいわけではなく、まわりのマスの状態にも依存します。
注意しないといけないのは、傾斜がかかる範囲が9マス四方の広範囲にわたっている点です。設置物基準でいうと、18マス四方ということになります。
高さ0の隣を高さ10にしても、切り立った崖のようにならず、周囲が50度以上の傾斜になります。
1マスしか場所をとらない設置物は、傾斜したマスにも配置できますけれど、設置物の多くは3マス四方かそれ以上のスペースが必要で、傾斜が含まれない場所を選んで設置しないといけません。

高さ0のマスが拡がる平地の1マスだけ高くしたときに、3マス四方を専有する設置物が置けない範囲を図で示すと、画像2-2のようになります。向きは上が北です。濃い緑の領域に1マスでも重なると、3×3マスの設置物が置けません。濃い緑の領域は、高さ(の差)によってすこしずつ変化し、高さ7から10の場合にいちばん広くなります。
また、北東と南西がすこしだけちぢんだ、斜め方向の対称形になっています。四隅の傾斜の形が〈北東・南西〉と〈北西・南東〉とですこし異なっているのです。
あくまでも、3×3マスの設置物が置けるかどうかを表わしている図ですから、たとえば3×1マスの設置物なら、傾斜している向きに合わせれば、濃い緑の領域でももちろん置けます。
月光島エリアの外縁(初期状態で砂地や海になっているところ)は、おなじ高さ0の地面であってもゆるやかに傾斜しているので、大きな設置物の置けない地点がわりとあります。
ここまで調べただけでも、ちょっと手に負えないと感じました。地面の高低の扱いについてがんばって検証してもメリットが薄そうでした。海岸線と高さの設定値をマッピングしたとて、設置物がうまく設置できるかはゲーム内で実際にやってみないとわからないし、実際にいじりながら進めていくほうが早い、とわかりました。
見た目が平らなようでも、ちょっと傾斜しているせいで置きたいものが置けない、ということが起こりがちで、相当に悩まされます。丘や谷なんてつくらずに平らに均してしまうほうがよっぽど配置が楽です。
それでも、ムーンライトパークでは敢えて坂道やでこぼこの多い自然みのある地形を目指しました。
あるマスAの高さを変えて、そのふたつ隣のマスBの高さを変えると、両方に挟まれたマスCの高さの値も変わることがあります。詳しくいうと、CがAとB両方より〈0に近い〉高さの場合のみ、AとBのうち〈0に近い〉高さのほうがCに反映されます。(例を挙げると、横並びのマスの高さが左から3・0・0のとき、右の高さを2にすると、3・0・2ではなく3・2・2になります。)よって、広範囲を丘や水域にしたいときは、1マスおきに高さを操作するとエキス節約になります。
そうやって縦も横も1マスおきにおなじ高さにしていくと、碁盤の目のように高さ0のマスが残ってしまいますけれど、ちゃんと見た目の地形は平たくなり、設置物を置くのも支障ありません。先に載せた画像1-2の地図には、ところどころでそういう工法の跡が見えています。
領域拡張
いちばん時間がかかってつらかったのは、島の領域を4段階にまで拡張することでした。初期状態では、プレイヤーの自由に使える区域が南西側に制限されています。先に載せた画像1-1の地図のとおり、段階を上げていくと区域が広くなっていき、4段階になれば全域が自由に使えます。(領域拡張よりも領域解放と呼ぶほうがしっくりきます。)
拡張には指定の素材を揃える必要があり、それらを生産するにせよ競売場で買うにせよ、相当なコストがかかることになります。こういったアイテムは、コンテンツ実装から日にちが経つにつれて需要が減って安くなるもので、実際、以下に書くような市価も、すでに月光島ライブ開催のころには、平均して半分かそれ以下になっていました。
企画した当初は、4段階にまで拡張するつもりはありませんでした。
2段階に上げるのはそんなに難しくありません。問題はそこからで、3段階にする為の素材だけでも、9月はじめごろの試算で1億8000万ゴールド以上かかりそうでした。そうなると3段階が関の山で、わたしの財力と比べると、ちょっとひと桁違う世界だな、という感がありました。
実際の島の建設時には、なんだかんだで、おそらく9000万台の出費で3段階にしたと思います。3段階に到達したのは9月20日。

1段階でも3段階でも、半透明のバリアが北側と東側を囲っていることに違いはなく(画像3-1)、ただ演奏するだけならなんの問題もないにせよ、景色としては目障りです。月光島自体も今回の月光島ライブの売りなのだし、4段階の〈完全体〉にしないと恰好がつかない、という気持ちのほうがだんだん強くなってきたのでした。要するに欲が出てきました。
しかし、3段階から4段階にするには、9月下旬の試算で約2億ゴールド必要でした。なんだかさっきからお金の話ばかりになっていますけれど、「青い水晶」30個だけで9000万超え、「光るシルク」30枚だけで6000万はいくだろう、ということで、すでに3サーバーの持ちキャラの資産をかき集めても足りないから、資金繰りを考えないといけなくなりました。
「歌の星屑」をひとつ、9000万台で売り払ったほかは、たいしたアイテムを在庫に余していなかったから、「コルプレのラッパ」で金策しました。フリースタイルジャムを何十回も繰り返してコルプレの祝福を待ち、コルプレの祝福が降ったらその間(エリン時間で1日間)にできるだけ多く持ちキャラを回し、各キャラでミニゲームを成功させてコルプレのラッパを集め、競売場で売る、という方法です。ラッパ1個の市価は90万から100万の間でした。これがライト層なプレイヤーのわたしでも(あるいは初心者でも)できるいちばん効率のよい金策だと考えます。月光島ライブの準備の一環としてどうしてフリースタイルジャムを繰り返しているのか、MMLづくりを後回しにしてていいのか、若干の疑念とじれったさに苛まれていましたけれど、もうこうなったら意地です。

10月3日にようやく4段階拡張を達成です。やれやれ、これからが本当のスタート。すでに本番まで1ヶ月を切っているのに、こんな調子で間に合うのかどうかと、気に病んでいる暇さえもありません。
島レベル
イベントの会場として使うだけなら、月光島の「レベル」を上げる必要はとくにないと思います。領域拡張の為の素材を自力で生産するなら、どのみちレベルを上げないといけませんけれど、それは別のキャラの月光島でも賄えます。
「保管可能な最大住民」と「配置可能な最大住民」は別々のパラメーターになっています。「配置可能な最大住民」は島を散歩させておける住民の数のことで、領域を4段階にすれば自動的に10人になります。最近のメインストリームクエストをやっているキャラでないと、11人以上集めるのは難易度が高いので、わたしにとっては上限10人で充分。「保管可能な最大住民」も10人以上にするには、月光島スキル「保有住民増加」にスキルポイントを2以上振り分ける必要があります。つまりレベルを2にすればいいだけです。生産機能を度外視すると、スキルポイントの使いみちはそのくらいしかありません。住民についてはあとで改めて取り上げます。
島の建設、会場設営
めろさんと何度か話し合いつつも、基本的に島づくりは個人技。とりあえず形にしてみるから待ってて、というスタンスでした。

島の中心近くの地面を高い丘にして、周囲が、そして海が一望できるようにして、そこを演奏会場にしようというのは早いうちからイメージしていました。ハロウィンを意識したポップでファンシーな設置物をかき集めて使いました。とはいえ、どちらかというと島全体の景色を楽しんでほしいから、会場だけをごてごてと飾りつけるようなことは避けました。合奏メンバーが立つ壇上にはタイルを敷き詰めて、位置取りがしやすくなるようにしました。画像5-1は、会場のデザインを試作しているようすを撮った1枚。
ついでにタイルに関して補足すると、多くのタイルは「設置した地面のどこをクリックしても、タイルの中心にキャラが移動する」性質があります。スクリーンショット用の映えスポットをつくるには便利な設置物ですけれど、移動が不便になりがちです。ムーンライトパークでは、草花系を除き、そういうタイプのタイルはあまり使わないようにしました。壇上などに使った「ハロウィンタイル」は、クリック移動が自然なままなので使いやすい。
先ほども書いたとおり、設置物単位の1マスの辺の長さがちょうど1メートルです。演奏に関係する距離を改めて確認してみると、集中鑑賞モードを使わずに演奏音が聞こえる距離は20メートルまで。月光島の広い空間と比べてしまうと、20メートルはなんとも短く感じるものです。集中鑑賞モードさえ80メートルくらい離れると切れてしまいます(プレイヤーが密集しているならもっと範囲が狭まると思います)。全体チャットが届くのは35メートル前後までのようです。演奏会場の規模をついつい欲張ってしまわないよう、これらのことも考慮して、イメンマハ公演場よりひとまわり小さいくらいの広さを意識して設営しました。

大地のエキスは各キャラ毎週10個までなら安価に買えるので(ただし別キャラに渡せない)、どんなふうに地形をいじるか、別キャラの月光島で検証したり練習したりしました。画像5-2もそのようすで、広場から演奏会場の丘に向かってどういう動線にするといいか、実際に歩いてみたりしながらイメージを固めていきました。
もともと何年も前から、「菜の花タイル」やら調和シリーズの木やらをこまめに買い集めて浪漫農場を飾っていました。しかしそれらをすべて投入しても、月光島を埋めるには、まったくもって量が足りません。いまや常時入手できるようになっているから、余裕があれば自力で増産するようにしていましたけれど、やはり競売場でどっさり買い込むのが手っ取り早い。

「妖精の花タイル」などが安値で出回っていて便利そう、と思うのですけれど、こうした一部のアイテムは、設置物もキャラも地面も突き抜ける異様な光を発します(画像5-3)。スクリーンショットを撮るときに不自然さが気になるので、あまり植えたくありませんでした。
一方、演奏会場のまわりにも植えた「シャイニングフラワー」シリーズ、それから「リゾート風ランプ付き壁」などのような設置物は、ちゃんと遮蔽の判定があるまともな光を出します。ただ、一般フィールドで焚くキャンプファイアなどのように周囲を照らす感じにはできず、夜景の車のライトみたいな感じになります。

東側の陸地をかなり削って入り江にしました。大地のエキスを調達しては削れるだけ削り、また仕入れて、という繰り返しでした。高さをマイナスにするときは、その周囲の地形の高さを0以下に均してからでないといけないので、とくに初期状態で起伏がある東側・北側の陸地を削る際には、手間とエキスの消費が地味に増えます。
初期状態の海岸線はなめらかですけれど、手を加えると、自然な曲線にならずにぎざぎざになってしまうのが残念です。せめて遠くから眺めたときに自然らしさが出るようにつくりこみました。
設置物を染める「染料」については、あまり深く調べたことがありませんでした。今回かなり「混合染料」をつくってみてわかったのは、あざやかな色がつくりづらい、とくにかぼちゃや蜜柑のようなオレンジがつくれないということでした。到達できない色の域があるということでしょう。ハロウィンらしい色がつくれたらよかったのですけれど。
また、フェンスの着色などは、実際に塗ってみるとやや明るめの仕上がりになるから、かなり黒っぽく混合するとしっくりくる発色になると思います。
最終的に設置物は合計1960個となりました。領域4段階での上限は3000個なので、まだまだ置けました。会場周辺と関係ないところにまで時間をかけるのも本末転倒だから、すっぱり諦めるべき部分もあったのでしょうけれど、こういうところで諦めが悪いのがわたしの癖です。本番当日まで花を植えたりして、いやはや本当にきりがないという感じでした。
島の住民
月光島専用の住民NPCは、ふつう生産の労働者として用いるのですけれど、もちろんムーンライトパークでは雰囲気づくりの一環としてランダムに散歩させておきます。みんな着ぐるみを着せて、童話に出てくるような〈たのしい動物〉になってもらいました。顔や名前を変更する機能はないけれど、衣裳や持ちものでモーションもつけられるから、けっこう個性を立たせられるものです。とことこ歩き、たまにすれ違うと会話したりして、見ていておもしろい。

ただ、客席をうろついたり、舞台にまでのぼってくると、邪魔になるかもしれません。さりとて会場のまわりをむやみに柵で囲うと、こんどは引っかかって住民がとどまり続けるかもしれなかったので、遮蔽物はあまり置かず、住民が舞台をうろうろしたらそれはそれで笑っておこう、ということにしました。実際の本番では、周辺に住民はやってきませんでした。むしろもうすこし迷い込んでくれたほうが、存在をアピールできてよかったかも。

島を歩く9名の住民のほか、もうひとり「受付係」みたいな住民もいます。画像6-2に写っている赤っぽい恰好の住人がそれです。生産中にさせておくことで位置を固定しました。

生産させるには、専用の敷地を配置して、必要な設置物をそこに並べないといけません。いろんな設置物を組み合わせて、パッと見ただけではそれと悟られづらいように工夫しました。
住民の着せ替えで困ったのは、フードをかぶった状態でローブを着せることができない、という点でした。それで、さらに頭装備のかぶりもので補ったので、ちょっと見た目がくどくなりました。また、一部のアイテム、たとえば「乳牛ローブ」などのように、住民に着せられない装備も存在します。そういうのはだいたいパートナーキャラなどにもプレゼントできなかったりします。アイテム属性に明記されていないのでわかりづらい。
名所めぐり
月光島ライブに行きたくても行けなかったかた向けに大サービス。ムーンライトパークの各地の景色をスクリーンショットでお届けします。

入口の広場のまわりには、めいっぱい紅葉を配置しました。
紅葉いっぱいの景色に囲まれた会場にする、というのはぜひともやりたいことでした。あざやかな紅葉をもつ木には「告白の木」などがありますけれど、設置範囲1マスでボリュームが稼げる、「キャンプ大家族セット」などのキャンプシリーズが重宝しました。ただし、起伏の多い地形でこれを使うと、木の根っこが浮いたりバーベキューテーブルが埋もれたり、粗が出やすいのが難しいところ。ほか、黄色い葉っぱの木は「記憶のプラタナスの木」「イチョウの木(中)」「バンホール木」などが狙い目。これらも設置範囲が1マスなので便利です。毎日こまめに競売場で探していました。

入口から演奏会場までの「冒険」もイベントの一要素のつもりでした。プレイヤー掲示板の告知にて「入場したら ★型のオブジェが並んでいる側から広場を出て 右手側の坂を登っていくと会場までたどり着けます」と案内しました。10個並んでいる星型のオブジェは「ステラエクストラミニチュア」。
「右手側の坂」といえばわかってもらえるよね、なんて思っていたものの、迷子率が想定以上になりそうだということで、リハーサル後に急遽、矢印を地面に埋め込みました。

右でなく左手側に鎮座ましますのは、リハーサルの日に合奏メンバーのみなさんをも惑わせてしまったという、予備の、いや、偽物のライブステージ。この「クロッカスハイスクールバンド部ステージ」で舞台をつくるのは安直に思えたので、ただの映えスポットとして活用したのです。客席側に首振りのミニチュア類をいっぱい並べています。

「右手側の坂」を進むとアーチが見つかります。ここをくぐって坂を登りきると、そこが演奏会場です。アーチは「神秘的な邸宅の庭木05」です。
グリッド単位で設置物をひとつずつ置けて、その角度は90度ずつ4方向のみ、というマビノギの箱庭系コンテンツの制約上、レイアウトがどうしても四角四角しがちです。そういう直線的な風景ではなく、雑然とした風景がつくりたいのがわたしの性分。このアーチのように、もとから斜め向きになっている設置物は、人工っぽさを薄めるのに重宝します。

当日のお客さんでも、こっち側まで散策したかたは少なかったのかも。ムーンライトパーク北部の散歩道は、島主でも方向感覚を失くしそうになります。ミニマップが表示されない月光島の攻略難易度は想像以上です。

いろんな種類のフェンスがあるなかで、実際に通せんぼする必要がなく、目印としてだけ道の境目を示したい場合には、「丸太フェンス(仕上げ用)」がわりと便利に使えました。地面に起伏があってもボロが出にくく、どこでも置きやすい。

南側、1マスだけ高さをマイナス2にして砂地を食い込ませている場所の風景。泉になった部分をタイルなどで隠しています。設置物が地中に埋もれるのを活かしてなにかできないかなと実験した結果、なんだかよくわからない園芸研究所になりました。

島の南東の花畑、ここが告知ポスターに使った場所です。まだ建設途中の段階でポスターだけの為に間に合わせでしつらえたところだったから、ちょっと粗も目立つのですけれど、記念にということで、なるべく手をつけずそのまま残しています。

島の東側の入り江。遠景としてはけっこう好きです。住民は、地形変化でつくった人工の浅瀬も平気でうろうろ歩きます。

演奏会場の舞台の背には、屋根がめろさんのテーマカラーっぽく塗られた家があり、そのそばの牧場には羊と乳牛がいます。鳴き声が演奏会場に届くことのないよう、羊たちを慎重に配置しました。本番中、こちらの方角から急斜面をのぼって演奏会場にたどり着いたかたもいました。