この手で、ひとりのこらず
シラベル作曲「この手で、ひとりのこらず」の紹介ページです。
宅録・DTM
アコースティックギターによる多重録音です。ただし、エフェクトで音を激しく加工しています。
「おとすきー」に載せたのとおなじ内容です。
でたらめに弾いたのではなく、いちおうコード進行らしきものを決めてから、マイクに対する向きを変えつつ、ピック弾きでジャーン、ジャーン、と鳴らしたり、スリーフィンガーでこまかく鳴らしたりしました。以下の画像がコードダイアグラムです。終わりのところ以外、この8コードの繰り返しです(左上から順に)。
ミックス時に再生速度を下げているので、音源でのドレミの高さは、図のコードネームとは違っています。もともと、ちゃかちゃか鳴らしたギターを数倍に引きのばしてゆっくり再生させて、アンビエント感のあるどんより間延びした音にしてみよう、というのが今作をつくろうと思ったときの狙いでした。
左右でぐにゃぐにゃ鳴っているシンセパッドのような音は、スリーフィンガーのアルペジオのパートにリバーブを深くかけたものです。残響の長さや拡がりの値をうんと大きくした上で、エフェクトで付加される音成分(ウェット)のみ残しました。もはやアコギからかけ離れた音色になっています。
ピックによるコードストロークの音にも、リバーブと歪み系エフェクトを強くかけました。
弦を押さえる指を動かすときのフレットノイズがリバーブによって強調されて、悲鳴のようにも聞こえます。
曲のあらまし
2025年12月作曲。数ヶ月前につくった「漂白と鎮静のシャワー」とおなじく、アンビエント、ドローン系の作品。こちらはかなり陰々滅々とした雰囲気です。
アンビエント系の曲をいろいろ聴いて研究しようとしても、掴みどころがないというか、制作過程の見当がつかないというか。それが興味深いところでもある一方、たとえば雨風の音にエフェクトをたっぷりかけただけのような音源も少なくないし、とくになにかを意図したり狙ったりするようなものでなく、偶然性を拾い上げるような制作方法が多いのだろうかと思えます。
今作では、ギターの録音にリバーブをかけてシンセパッドっぽい音がたまたま得られて、ああこれだこれだ、もしかしたらこういうふうにつくればいいのかな、と発見できたのが収穫でした。
作品データ
- 曲名表記
- この手で、ひとりのこらず
- 曲名かな書き
- このてで ひとり のこらず
- 作曲
- シラベル
- 発表日
- 2025年12月13日
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