揚げもんバブリング

シラベル作曲「揚げもんバブリング」の紹介ページです。

宅録・DTM

2022年3月18日公開。

揚げもんバブリング_2022-03-09.m4a[AAC]

おもにシンセサイザーの手弾きを使っています。シンセは、ラジカセにつないで、スピーカーから音を出してICレコーダーのマイクで収録。「Iターン・Uターン」の録音作業をしたついでに、いわば行きがけの駄賃で弾いた素材です。リード兼ベースのパートと、オルガンパートのふたつ。ずっとおなじようなフレーズを反復するベースパートは、曲構成の為にちょっとだけ切り貼り。オルガンのほうは、何種類か弾いたフレーズを抜き取って再構成しました。

何年も前に、鶏の竜田揚げをつくりながら、そのようすをICレコーダーで録音したことがありました。その素材をここで使ってみよう、といきなり思いついて重ねてみました。手許にあるものはなんでも利用。こういうこともたまにあるから、なんでも録音して残しておくものですね。いやいやあんた、なにを思ってそんなの録音したの、といわれそうですけれど、これ、雨音や川のせせらぎみたいなもので、わりとリラクゼーション効果があります。寝るときに聴いたり。ただ、油がハネてやけどするのではないかと、別の意味でハラハラさせられる音の風景です。なんだか調理がへたそうに聞こえます。あと、換気扇から出る低音もちょっと余計です(ミキシングでは軽減しています)

油料理の音を加えることで、シンセのフレーズにもなにか意味を付することができたかもしれません。弾いているときはなにも考えていませんでした。

バスドラム、シンバル、ハンドクラップなどのドラムパートは、打ち込みです。サウンドフォントを使って鳴らしました。手弾きのシンセが、かなりリズムにゆらぎがあるので、ドラムパートもそれに合わせる形で、前後に微妙に音をずらしています。でも、とくにハンドクラップの連打などは、あまりずらしすぎても恰好が悪くなるようでした。なお、序盤などでうっすら聞こえているのは、シンセを弾いているときにテンポキープに使った、アイフォーンから出しているドラムループの音です。

曲のあらまし

2022年3月作曲。ミニマルテクノのような、ミニマルでもテクノでもないような、クラブ音楽系の作品。

ビートにぴたっとおさまらない手弾きが中心になっています。手弾きだから狭義のテクノではないにしても、雰囲気としてはそれに近いと思います。よれよれなビートによって、テクノで希薄になりがちなつくり手の実在感が、多少は補えているかも。

全篇にわたって、油料理をしているときの音を重ねたので、このタイトルをつけました。一部、食器棚の音をループさせたりもしていますけれど、ほとんどは、油がぴちぴちはじける音の強弱を曲展開にあわせた程度で、日常音のコラージュとしてはあっさりしたものです。もっといろんな台所の音(包丁で刻む音とか、冷蔵庫の開け閉めの音とか、流水で野菜を洗う音とか)を取り込んで、リズムトラックとして徹底的につぎはぎする、ということもやれたらいいなとは思います。でも、そういうのも、すでにたくさん先例があるはずで、いまさらな気もするので、現時点では強い興味がわきません。もしつくるとなれば「チューボービーツ」と名づけます。……タイトルだけ先に決めてもしょうがないわ。

作品データ

曲名表記
揚げもんバブリング
曲名かな書き
あげもん ばぶりんぐ
作曲
シラベル
発表日
2022年3月18日