糸電車の車庫入り

シラベル作曲「糸電車の車庫入り」の紹介ページです。

宅録・DTM

2021年・アコースティックギター版

2021年7月12日録音、14日に公開。(もともと、試作音源いろいろのページに載せていました)

糸電車の車庫入り_2021-07-12.m4a[AAC]

アコースティックギターによる即興の一発録りです。ただし、弦を思いきりゆるめた状態で鳴らしています。演奏しながら途中でさらにゆるめています。それで、民族楽器っぽい音から、チェーンを巻き上げるような機械めいた音へ変貌していきます。スリーフィンガーのリズムによって、電車の走る音のようにも聞こえます。

響きこそすさまじいですけれど、ふつうに指で演奏したものであり、べつに乱暴なことをしているわけではございません。弦を張り替える為に、古い弦をゆるめたら、なんかビリビリしたおもしろい音が出るぞ、と思い、もったいないからちょっと録音してみたのでした。そのあと、新しい弦にちゃんと交換しました。

2022年・エレクトリックギター版

2022年9月26日録音、27日公開。モノラル。

糸電車の車庫入り_2022-09-26.m4a[AAC]

エレキの独奏の一発録りです。これも、弦を交換する直前に、弦をゆるめた状態で演奏しました。軽く歪むタイプのエフェクトをかけて指弾き。

2021年版のときは、もともと電車を表現しようと思って弾いたわけではなく、あとからタイトルをつけて意味づけしたので、今回ふたたび弾いてみるにあたって、電車が速度を落として車庫に納まるみたいな雰囲気をちゃんと目指す必要がありました。でも、作為的になるとろくな結果にならないだろうという考えがあったから、前回の演奏を超えようとか、なぞろうとか、そういうことは意識しないようにしました。前回が2分台だということも頭になかったから、うっかり10分も弾いてしまいました。

行き当たりばったりでいろんな展開を見せます。6分にさしかかるあたり、レールの継ぎ目に車輪が当たる音(ガタンゴトン)みたいなおもしろい響きになってから、しばらく守りにはいって、展開のつけかたがゆるやかになっています。

曲のあらまし

ギターの弦を思いきりゆるめながらフィンガーピッキングした際の、産業廃棄物じみたノイジーな音を、電車の音に見立ててタイトルをつけた、即興作品です。電車の音とか工場の音とかが好きなひとは、多少のシンパシーを覚える曲かもしれません。そもそもこれで楽曲なのか、と首をかしげるひとのほうが多そうな気もします。ときどきこういう、子供がおもちゃで戯れているかのような音楽を無造作に生み出すことで、自分の音楽観が窮屈にならないようにバランスをとっているのかもしれません。

即興だから、演奏するたびに作曲するわけですけれど、作品の成立時期としては2021年7月です。

作品データ

曲名表記
糸電車の車庫入り
曲名かな書き
いとでんしゃの しゃこ いり
作曲
シラベル
発表日
2021年7月14日