楽譜についての御案内

「コリモセーズ/シラベル のウェブサイト」で掲載している、自作曲の楽譜(五線譜)についての概説的なページです。

なお、当サイトには「マビノギMML」もたくさん載せています。MMLも楽譜の一種ですけれど、そちらについては掲載しているMMLについてのほうを参照してください。

御利用にあたってのルールは、利用規約のページに書いております。

制作環境

楽譜は、フリーソフト「MuseScore」(バージョン3.6.2)でつくっています。

当サイトに載せているのは、「MuseScore」でつくった楽譜をPDFとして書き出して、そのPDFの各ページを画像ファイルに変換したものです。

盛り込む情報について

大掛かりなスコアを書くちからはありませんから、基本的に「メロディ譜」(リードシート)を用意しています。メロディ譜というのは、メインとなるメロディと、コードネーム(和音)と、歌詞そのほかが書かれた、比較的シンプルな楽譜のことです。

ほか、少数ながら、ギター用のタブ譜もあります。

楽譜に記したテンポやさまざまな指定は、あくまでも手がかりです。そのとおりに弾かなければ間違いだ、なんていうことはありません。


小節番号を記していない代わりに、大きな区切りごとにリハーサル記号を入れています。頭から、ABC順に命名しています。「イントロ」「Aメロ」「サビ」「間奏」などと書くことも考えましたけれど、そういう平均的な分類ができないような曲もあり得るので、無理のないように単純な命名で通すことにしました。


イントロや間奏などのフレーズは、載せていたり載せていなかったりします。曲の骨格として不可欠なフレーズなら優先的に採譜して、アドリブ度の高いフレーズは省く、または記譜がめんどうなパターンなら省く、という傾向です。また、主旋律以外のハモりパートなども、重要であればなるべく載せる、というスタンスです。これらの音符は、小さな符頭で表しています。

音源での歌唱の節回しと、メロディの記譜とにすこし違いがある場合もあります。たとえば、音符としては〈ドードレー〉というふうに書いていても、歌唱では〈ドードドレ〉のように、レの前にドを引っかける、というような例はよくあります。

スタッカートやクレシェンドなど、表情づけに関わる記号を、とくに必要と感じた部分にかぎり、添えています。ギター用タブ譜では、スライドやチョーキングなども記しています。ふつうのメロディ譜の間奏などでも、気が向けば、それらを記すこともあります。


楽譜の読みかたについては、たくさんのサイトに解説がありますから、ここでわざわざ取り上げません。反復記号によって演奏順がどうなるかについてのみ、画像1で簡単に取り上げてみました。

画像1:反復記号がある場合の小節の演奏順

一見むずかしそうな反復記号ですけれど、単に順番の指定ですから、ある意味では音符や拍子記号などよりも話は簡単です。反復記号の意味だけでもわかると、歌詞の表示も手がかりにして、音を聴きながら譜面がなんとか追えるのではないかと思います。

楽譜をつくるときは、なるべく反復記号の指定がごちゃごちゃしないように留意しています。たとえば、セーニョとダル・セーニョの組み合わせが2組以上になるのはややこしいので避けます。

冒頭に戻る場合も、セーニョ記号を冒頭に置いて、ダル・セーニョから飛ぶように指示しています。「きみはダ・カーポという記号を知らんのか」といわれたらいやなので、セーニョで統一している理由[いいわけ]をいくつか書きます。ダ・カーポで冒頭に戻る指定があるときに、もしイントロの前になにか付け足すことになったら、ダ・カーポの指定を書き換えないといけない(イントロを弾き始める直前に「1・2・3・4!」というようなカウントの掛け声があったとして、それを楽譜の内容に含めるかどうかで、記法が変わってしまう)ので、セーニョのほうが合理的であること、また、弱起で始まる曲の場合、ダ・カーポから、最初の1音目に戻ればいいのか最初に登場する1拍目に戻ればいいのか(普通はこうするという慣習はあるのかもしれませんけれど)自明ではないこと、それと、手持ちの楽譜書籍にダ・カーポがあまり出てこなくて個人的に馴染みが薄いこと。こういったわけで、ダ・カーポを使わずに済ませています。(……と書いたものの、よく確かめたら、ダ・カーポの指定があるタブ譜をひとつ載せていました。当面そのままにします。)


いちばん下に、日付と著作権表示と当サイトのアドレスを記しています。日付は、その楽譜のファイルの最終更新日です。掲載・公開した日とは異なる場合があります。楽曲紹介ページを公開した日以降に楽譜を掲載・更新した場合は、本文内にその旨を記しています。

楽譜を載せる目的

わたしは、曲づくりの際に五線譜を使いませんし、普段から楽譜を扱っているわけではありません。わたしの作品に触れてくださるかたに役立ててもらえるように、ということで楽譜を載せています。つくった楽譜を自分が使うことはそんなにないのですけれど、楽譜をつくる過程で、曲の構造が再確認できますし、見落としていた点に気づくこともたまにあります。

楽譜のデザインについて

一般的な楽譜より、線がやや肉太なスタイルなのは、単なる好みです。太めのほうが見やすいかどうかは、ひとによるかもしれません。

音符の下に記している歌詞は、濁点・半濁点の視認性を考慮して、「Uemaru(うえまる)フォント」というフリーフォントを用いています。複数の音符に1音節がまたがる場合、かな・カナなら伸ばし棒、英文ならアンダーラインで示しています。

コードネームで、メジャーセブンスの「M」は「△」で表記しています。ちなみに、「sus4」や「add9」などの数字の部分が小さく表示されているのは、本当はどうにかしたいのですけれど、「9(13)」のようなテンション表記の、かっこの部分を小さく表示するように設定した副作用です。このあたりの制御がかなりむずかしいので妥協しました。


小節の幅や、段組みを揃えるよりも、見づらくない程度に紙幅を節約することを優先しています。きりのいいところでページでまたぐようにもしています。

前述のとおり、「MuseScore」で楽譜をつくっているので、ソフトの機能にどうしても依存することになります。「MuseScore」で楽譜をつくること自体は難しくありません。音符や休符を入力すれば、ほどほど無難な配置になるように自動で処理してくれます。しかし「浄書」レベルの話になると、(どのフリーソフトも多かれ少なかれそうだと思いますけれど)意のままにいかない部分が多々あります。

掲載楽譜に関する案内記事としては、やや込み入った話になりますけれど、すこし例を紹介します。(折りたたみ表示にしました)

幅の調整に関する浄書の例(折りたたみ)
画像2:幅を整えた浄書の例

画像2の上側(A)の例では、長さの異なる4分音符と2分音符が、おなじ小節内におなじ幅で配置されています。こういうレイアウトでは、パッと見て演奏するときに直感的でなく、混乱してしまいます。

下側(B)のほうは、3つの小節の横幅をなるべく揃え、音符の音価(音の長さ)と横幅との比率がなるべく釣り合うように調整した例です。違いをわかりやすくする為に、小節を2等分する青い線を付しています。これでもまだまだなのでしょうけれど、浄書にうるさいひとからすれば、せめてAではなくBくらいのレベルにしてほしい、と思うのではないでしょうか。

ただ、こういう3小節程度の例をつくるだけなら、ちょっと手間をかければBのようには調整できますけれど、1曲ぶんまるごと考慮すると、たいへんな手間になります。幅を決めるのはその音符のスタイル設定の値だけではなく、前後の要素が複雑に絡んできます。音符ひとつに歌詞を3文字くらい入れることもあるし、そんななかで幅の統一感を保つのはなかなかたいへんです。あちらを直せばこちらが拡がり、こちらを直せばあちらが狭まり、という調子で、いつまで経っても終わりません。調整しやすくする為に裏技めいた独特な入力のしかたをすると、再利用がしづらいデータになりそうだから、あまりやりたくありません。

なお、これは「よつば」の(2022年時点の)メロディ譜の一部です。現在載せている版は、AでもBでもありません。4分音符より2分音符が長い、というのがわかる程度の調整にとどめています。

作業について、もうちょっと具体的に触れてみます。

画像3:楽譜編集中の画面

画像3は、「Musescore」の画面で、音符を選択し、右側の「インスペクタ」という枠にスタイルを表示させているところです。楽譜は「そのさきたちつてと」です。説明の為に画像に書き込みを入れています。この曲は8分の6拍子。付点4分音符と8分音符3つはおなじ長さになるのですけれど、8分音符3つのセットが幅を占めすぎに思える小節があります。これを改善しようとしたようすが画像4です。

画像4:幅を調整する過程

いちばん上は、画像3の一部とおなじです。その下が、「前との間隔」を増やしてみたところ。しかし、「前との間隔」というわりには、小節内の各音符すべての間隔が拡がる結果になってしまいます。

「前との間隔」をいじっても無駄なので、「コード」の項の「オフセット」のX軸をプラス側にしてみます(別項のほうの「オフセット」は、符頭や符幹など、音符のパーツ個別が対象)。すると、対象の音符のみ、期待通りにうしろに寄りました。あとは、3つ並ぶ8分音符の2つめと、それぞれに付随するコードネームと歌詞表記も、ひとつひとつ「オフセット」をいじっていきます。なかなかめんどう。「自動配置」のチェックを外すほうが調整しやすいこともあるけれど、そうでないことのほうが多く、効能がよくわかりません。

それぞれの要素を調整したのが、いちばん下の段です。(実際に公開している版は、もうちょっと調整が異なります。)

なお、「MuseScore」のバージョンが違うと、こういった挙動も異なります。以前のバージョンでつくったファイルを読み込んだらレイアウトが崩れている、ということもあるから、安易に最新版にアップデートするのがためらわれます。

わたしがつくっている「メロディ譜」の位置づけは、あくまで手がかり、音源に対する補助的な資料なので、あまり神経質に楽譜の美しさ(演奏者が瞬時に把握しやすいレイアウトかどうか)を追求していません。ちゃんとした知識もないので。それでも、横幅の話に限らず、気になる箇所は可能な範囲で調整しています。じっくり見ても理解に迷うようなあいまいな記述にならないようには気をつけています。たとえば、1小節のなかでコードチェンジがある場合、何拍目で変わるのかわかるように、音符・休符を分割するなどしています。

その他のおしらせ

2022年10月9日、大部分の(2021年以降に載せたぶんすべての)楽譜を差し替えました。著作権表示を「© Shirabell」から「© Colimoceise/Shirabell」に替えました。また、いくつかの楽譜について、記述を修正(各ページにて説明)、レイアウトも調整。