グッバイ・アップルパイ

シラベル作詞、リサカ作曲「グッバイ・アップルパイ」の紹介ページです。

宅録・DTM

《リサばんど。》制作。ボーカロイド「Rana」を用いています。

動画

2020年4月23日公開。

グッバイ・アップルパイ / Lisaband. Part11 - YouTube(外部リンク)

(一部、点滅表現を含みますので、明るい場所での視聴を推奨します)

おなじ動画が、ニコニコ動画(外部リンク)にも投稿されています。

歌詞

100[どシー]のお湯でからだを麻痺させてよ  なまぬるい手で抱こうとしないでよ  あたしはほしいの ノイズのない世界が  ひとりのひとに包まれる未来が  Once upon a time ふたつ年下  頼りないとこだって許せた  アップルパイ 部活の帰り  駅ちかのお店でよく食べてたっけ  そうだよ飽きたよとっくにね  ピーチオレンジマスカットリーベ  とろけて消える一瞬の夢  少女だましじゃ物足りない  焦がして 闇のような光で  洪水のようなちからで  ぎゅっと抱いて がさっとさらって  どうなのやれるの 守れるの  答えてよ その覚悟 ぶつけてよ  褪せたシーツの上 ふたりは背を向け合う  意気地のなさにいつまで手こずるの  でも彼を振ってひとりになるのもやだ  まだしばらくは 手をつないでいようかな  そうだよ飽きたよこっちもね  ピーチオレンジマスカットリーベ  なんでも叶うと信じている  少女な君はもういらない  裏返った世界にほっぽり出され  もうどうにでもなれ フィナーレ  雷雨のような100dB[デシベル]で  ノイズに犯され叫ぶ

楽譜

わたしが制作した、コード・メロディ譜のPDFファイルを置いています。

1ページ目だけ、画像で掲載しています。こんなかんじです。つづきはPDFファイルで御覧ください。全5ページです。

「グッバイ・アップルパイ_メロディ譜.pdf」の1ページ目

曲のあらまし

4曲目となる《リサばんど。》との共作で、この曲がいちばん制作に深く関与した形になりました。

2017年9月にアレンジ案を出し、そのあと歌詞を提供したりしました。これまでの3曲よりかは、普通のテーマの歌詞にしました。すなわちラブソング、別れの歌です。イントロ、アウトロでずーっと「Wow wow」とハモっているのは、作曲当初から決まっていた部分です。リサカさんはとにかくこの「Wow wow」がやりたかったみたいです。

まじないの言葉のように挟まれる「ピーチオレンジマスカットリーベ」。「リーベ」はドイツ語で「愛」。のこりはもちろん果物名です。ムーンライダーズの曲の「マスカットココナッツバナナメロン」みたいなものです。果物はしばしば性愛の隠喩になったりしますね。あと、「駅ちか」は「駅地下」か「駅の近く」かどっちのこと、という質問はもらったことありませんけれど先回りして書くと、どっちでもよし、です。わざとひらがなにしました。

10月にエレキとベースの録音が届きました。エレキの演奏内容に昂奮して、その時点での音源ファイルを使ってミックスを試作。この段階でアレンジの大枠が決まったのでした。そのあとしばらく間隔が空いて、2019年にはいってから、アレンジの詰めにはいりました。ミックスはそれと並行しておこない、それぞれフィードバックさせるような形で進めました。

アレンジのうち、ピアノのフレーズについては、ほぼわたしの案です。そのほか、たとえばバックコーラスの入れかたなど、いろいろなところで細かくやりとりをしました。

2020年4月、晴れて動画公開。後奏をかなり引っ張る曲構成なので、動画担当のかたも苦労されたんだろうなあと思います。

ミックスの裏話

ボカロ曲には明るくなく、昨今の主な作品がどういう感じのミックスになっているのかも知らないのですけれど、DTM作品の一般的な傾向として、リバーブが鼻につく、という印象は持っていました。それを踏まえて、この曲ではライブ演奏の雰囲気を意識しつつも、乾いた音を目指しました。

本格的なミックスははじめてだったので、さまざまな設定値や手順を愚直にメモして、すこしずつ手順に修正を入れてはやり直して、理想に近づける、という泥臭い作業をしました。じつに非効率なのですけれど、自分がなにをしているのかが把握できている、という安心感が大事でした。使用ソフトが「Audacity」なので、そうやって手順をひとつひとつ積み重ねるやりかたしかできないわけですけれど、一般的なDAWでの作業より、このほうがわたしに向いているというのが確認できた作業でした。

反省点、というか技術的に達成できなかったこととしては、もうちょっと低音をふっくらさせたかったというのがあります。ひとつ打ち明けると、ベーストラックが前半と後半とで別物を使っていまして、2番開始直前までが打ち込みの音、2番以降が本物のベースでの演奏です。その本物の演奏が、うねうねと音が動いてちょっと目立ちすぎるということで、前半は平坦な打ち込みに差し替えました。すると、(スペクトログラムで見ると)音域ごとの音量の分布がそれぞれで違っていたので、差異が小さくなるようにイコライザーをかけました。ごく低い音域をカットするなどしたので、そういったことがもしかしたら低音の物足りなさにつながっているかもしれません。

むしろ高音が物足りない、という意見もあろうかと思いますけれど、高音がきんきんするのは苦手なので、自分が手がけるとどうしても、高音域を持ち上げるという発想は遠いものになります。

後奏の途中、静かになるところは、「ライブで客席のみんなに唄わせている」感じを出そうとしました。ここのウォーウォーは、音源をいろいろいじくりまわしながらたくさん重ねることでつくったものです。メイキング資料として、その部品を載せます。

グッバイ・アップルパイ_audience-chorus_01.m4a[AAC]
グッバイ・アップルパイ_audience-chorus_02.m4a[AAC]

「audience-chorus_01.m4a」のほうは、Ranaの声質設定を変えたバージョンのトラックをいくつか用意してもらって、それをさらに加工してバリエーションを増やし、いっぱい重ねたものです。

「audience-chorus_02.m4a」のほうは、単旋律をサウンドフォントで鳴らして、それにボコーダーをかけたものをいっぱい重ねました。つまり、いろんな楽器の音にRanaボーカルのフォルマントを移植して、「ウォーウォー」といっているような響きに加工したわけです。

この「01」と「02」と、あともう1種類あるのですけれど、それらを重ねて「Ranaだけではない声」で合唱しているような雰囲気にしようとしたのでした。

作品データ

曲名表記
グッバイ・アップルパイ
曲名かな書き
ぐっばい あっぷる ぱい
作詞
シラベル
作曲
リサカ
発表日
2020年4月23日
《リサばんど。》の公式サイト
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