終末のパピヨン

シラベル作詞、リサカ作曲「終末のパピヨン」の紹介ページです。

宅録・DTM

《リサばんど。》制作。ボーカロイド「Rana」を用いています。

動画

2017年12月15日公開。

終末妄想系ROCK!【リサばんど6】終末のパピヨン (Vocaloid Rana) Papillon at the last days - YouTube(外部リンク)

おなじ動画が、ニコニコ動画(外部リンク)にも投稿されています。

動画はわたしが制作しました。2017年9月ごろから着手。イラストと動画をまとめて引き受けたので、欲しい素材があればその都度自分でつくることができるのは強み――問題は画力の低さなんですけれど。

歌詞の字幕のフォントは、漢字が「Noto Serif CJK JP (SemiBold)」で、漢字以外が「刻明朝Regular」です。「モンブラン」のときもそうでしたけれど、字幕を1セットごとに画像としてつくっておいて、それを出し入れしています。

メイキング

動画に用いている画像をいくつか紹介します。いずれも、原画より縮小したり減色したりしています。

Babiron, kira kira kag ayaku uso to it suwar ino……といった文字列を延々と連ねた画像
「終末のパピヨン」動画メイキング資料1・いんちきラテン語

資料1は、動画の2分40秒あたりの切替え時に登場する、英文、というかラテン語っぽい文字列を並べた画像。よく見ると、この曲の歌詞をローマ字でつづったものだとわかります。たった3フレームしか出番がありません。コマ送りでじっくり鑑賞して、「Lorem ipsum……と思ったら違った!」とニヤニヤしてもらえたなら幸いです。気づかない視聴者がほとんどだと思うから、ここで紹介しておきます。

ほか、1番Aメロにも、1コマごとに画像を切り替えて、いろんな言葉を殺到させる手法が出てきます。こんな一瞬の仕掛けに、異様なほどの時間を費やしました。

「終末のパピヨン」動画メイキング資料2・蝶

つづいて、蝶の単品画像です。モデルはルリタテハです。動画では、画像の伸縮によって羽ばたきしているように見せかけています。

「終末のパピヨン」動画メイキング資料3・天の川

こういう天の川の絵や銀河の絵もつくりました。これをもうちょっと加工したものを、1番サビの部分で背景に出しています。2分49秒ごろからのカットでは、向きを変えて重ねて、ちょっと違う効果を出しています。いかに素材を使い回すか、というのが動画づくりのポイントです。

「終末のパピヨン」動画メイキング資料4・眠りのリサ

《リサばんど。》の作品のミュージックビデオですので、《リサ》が登場します。いろんなカットを描きました。そのなかから、ベッドで寝ている絵です。粗い描画ですけれど、動画のなかではエフェクトを足して向きなども変えているから、そんなに気にならないものです。

歌詞

勝手にドアを開けた 図々しい善人が  かっこいい言葉だけを 津々浦々散らかした  世紀末の予言    "みんな一緒に滅びる"  信じ込んでた頃から    "一緒に滅びるのよ"  癖が直らない    "きっと一緒 どう足掻いたって"  天と地の積み木崩し じっと待っている  バビロン きらきら輝く 嘘と偽りの  不夜城の天の河  満天の無辜[むこ]の民  星座で編まれた 繭の[ひとや]  あんまりきれいだから 壊してみたいな  あんよがふらつくまま 蒼白い光のもとへ  ヨーグルトの浜辺    バクテリアの鍾乳洞  暴徒化した言葉が    棲みついて地を溶かす  アーモンドのにおい    ラフレシアの吐息  なんて甘美な終わりの予兆かしら  パピヨン 粉をふりまいて  大地を清める 不可視の天の河  曼陀羅華[まんだらげ] 蓮の花  オーロラのシャッター 口を開けたまま  積み木の塔 がらがら  ループに冒された    銀河系を塗りつぶす  この胸ひき裂いて    闇をしたたらせる  ローブをひるがえし    終末の蝶になる  沈黙と結ばれて    天に舞い上がる  バビロン ぴかぴか瞬く エゴと欲望の  不夜城の天の河  満天の無辜の民  閉じ込めたシェルター 黒い蜜の[ひつぎ]  パピヨン 罪とあやまちを  埋ずめたクレーター 不可侵の月の宮  満天のともしびが  百億の日々が 静寂に消えた  月夜に蝶 ひらひら

曲のあらまし

《リサばんど。》に歌詞提供をした3曲目の作品。公開順でいうと2曲目となります。2017年4月作詞。

2017年11月に音源が完成し、12月に動画公開。

この歌詞、ちょっとルナティックで難解かもしれません。言葉の断片のイメージが乱反射するようなものにしようと考えました。隠喩だらけですし、共感を得るタイプの歌詞からは遠く離れています。20世紀末のいわゆるノストラダムス現象や、3・11が、うっすらと底流にある、という程度の言及にとどめます。そのへんはたぶん、いわずもがなだとは思いますけれどね。

作曲のリサカさんいわく、ケイト・ブッシュの「Cloudbusting」にヒントを得た曲で、ストリングスや、サビでトットコトットコ鳴っているタムに、その跡があります。

後奏でケルト音楽っぽい展開に切り替わるのは、わたしの発案です。歌詞もそうですけれど、《リサばんど。》のなかで際立って異色作となるようなものをあえてぶつけてみたのでした。

作品データ

曲名表記
終末のパピヨン
曲名かな書き
しゅうまつの ぱぴよん
作詞
シラベル
作曲
リサカ
発表日
2017年12月15日
《リサばんど。》の公式サイト
《コリモセーズ/シラベル》が関わった、《リサばんど。》のほかの楽曲