魔女小町
シラベル作詞、リサカ作曲「魔女小町」の紹介ページです。
宅録・DTM
《リサばんど。》制作。ボーカロイド「Rana」を用いています。
動画
2019年12月27日公開。
おなじ動画が、ニコニコ動画にも投稿されています。
動画のイラスト制作の為の用途で2017年1月に描いた、「魔女」の設定画を載せました。高いヒールを履き、前髪ぱっつんのボブヘアーで、目もとの化粧が濃く、日傘をさしています。歌詞に準じた恰好です。左下に「魔女小町」とメモしてあります。このタイトルに決まったのはだいぶあとのことでした。
この絵は、イメージのとっかかりがないよりはましだろうと思って描いただけのものでしたけれど、あるいはこれが一種の縛りになったところも、もしかしたらあるのかもしれません。とはいえ、イラスト担当の方々はこの絵の設定を尊重してくださったようです。方々、と書いたのは、ここで紹介している動画ができあがるまで紆余曲折、ごたごたがあったからです。
ごたごたに巻き込まれた形で、動画として日の目を見ることの叶わなかったイラストは、作者のかたがイメージイラストという形でピアプロに公開されています。
歌詞
さっぱりとしたボブヘアー 光をカミソリみたいに切り分ける ハッとするその姿は いかにも都会から舞い降りた魔女 マスカラぱっちり お化粧 パンプス 高いヒール げっそりとした月曜 ホラゲー 舞台にもなり得るさびれ度 ひっそりとした街角 どこでもありそうなシャッター通り がらんどうな商店街の奥からニュッと出た 猫が魔女のそばを一廻りした 落下傘で舞い降りた スカした魔女は財閥のスパイかも 乗っ取られるぞ町が 尾びれがついたうわさ リツイート過剰拡散 団結しましょう さあ魔女狩りだ だれだ グレイの日暮れ 延々続いている 電線と 平凡な将来 つまんない バスを待つ じれったい 焦げ臭い風 魔女にはどんなふうに映る ネットの騒ぎ知らずに 祖父母の家の近くにまで来た魔女 きっとこんな退屈な町では 頭がポケッとしちゃうでしょう だから都会においでよ 一泊どうかな 超おいしいお店も案内 きっと喜ぶ 突如 自動車急発進後 魔女に向かって暴走道路 不慮の事故 異常な状況 魔女の微笑は凍りついた 魔女の衣裳は猩々緋色 撮影動画 投稿ごっこ 魔女の飛翔は超常現象 町に夢は戻らない
曲のあらまし
2016年8月に歌詞提供。《リサばんど。》楽曲に関わった順番としては「モンブラン」のつぎになります。当初は「モンブラン」と同様の形の、「キヌココア&リサカ」の共作でしたけれど、いろいろあったらしくて袂を分かちました。ここで紹介しているものは「リサカ」単独名義の作曲となっています。
地方都市に住む祖父母の家に遊びに来た、キラキラした都会っ子。町の風景に対してちょっと浮いてる雰囲気。その「異物」に町のひとたちが敏感に反応して……。排他的な群集心理を絡めながら、地方都市の閉塞感をフィクショナルに描いた歌詞です。この曲の動画は、完成までに何度も暗礁に乗り上げたのですけれど、動画化するには厄介でめんどくさいタイプの歌詞だったということなのかもしれませんね、たぶん。
どちらかというとストイックでとげとげしい曲としてわたしは取り組んでいたつもりでしたけれど、コラボの効果か、「ポップでかわいい」方向が強調された結果になったようです。
曲のタイトルは、地方の小さな町と、美人の意味の小町とのダブルミーニング。
この歌詞はもともとあまり自信がなくて、採用が決まる前に第2案も提出したくらいでした。採用後もいくつか書き直しがありました。大サビの部分(「グレイの日暮れ」以降)はけっこう悩みました。最初はわざわざ英語をあてがっていたのですけれど、ボカロに唄わせづらいということでリテイク。つぎの案はやや毒気が強かったので、再度のリテイクでいまの形に。また、「リツイート」のような言葉は「ポケベル」とかと同じで短命になり得るので、歌詞にいれるときは慎重になります。もともとは「うわさのツイート」で、リサカさんの提案で「うわさリツイート」に変えたという経緯でした。
合いの手の部分はリサカさんが独自に足していてわたしはノータッチなので、作詞のわたしもなにを唄っているのか実は知りません。
編曲者にわたしの名前がはいっていますけれど、大サビのハモりかたなどのアイデアを出すなど、初期の段階でちょろちょろ口出しをした程度です。
この曲の動画公開に至るまでには、たくさんの紆余曲折があり、わたしにとっては宙ぶらりんな、苦い思いとともにある曲です。イラスト探しが難航しているのを見かねてわたしが動画制作を安請け合いして、結局ギブアップしてしまったこととか、そのあと新しいイラスト担当のかたが決まったかと思ったら、共作曲者の間の事情によって、コラボのプロジェクトがだめになってしまったりとか、ほかにもいろいろありました。プロジェクトが瓦解したのは相当なダメージで、それ以後わたしは、この曲の動画公開までの一切の関与を断つ形にしたのでした。
それからは、もともと曲作りの主な実務を担っていたリサカさんによる単独の名義で、編曲段階から作り直されることになります。進捗についての連絡だけはもらっていました。2018年10月ごろにそのバージョンのミックスが完成、2019年春に動画のイラストが仕上がります。そこからまた動画制作が停滞していたようですけれどくわしい経緯は知りません。そしてようやく12月に完成のしらせが届きました。
歌詞を提供したときには、まさか動画公開が3年以上あとになるなんて思いもしませんでした。もちろんお蔵入りしなかったのは喜ばしいことです。しかし時間が空きすぎると、「新曲できた~、聴いて聴いて~」というようなきらきらした気持ちがなくなってしまいます。メジャーシーンにおける「CDリリース前後のプロモーション活動」もそういうところがあると思いますけれど、これはちょっと間が空きすぎましたね。「グッバイ・アップルパイ」もそうでした。
作品データ
- 曲名表記
- 魔女小町
- 曲名かな書き
- まじょ こまち
- 作詞
- シラベル
- 作曲
- リサカ
- 発表日
- 2019年12月27日
関連リンク
- 《リサばんど。》の公式サイト
- 《コリモセーズ/シラベル》が関わった、《リサばんど。》のほかの楽曲
- ほかの楽曲紹介ページ(ランダムリスト)