口許を見せて

シラベル作詞・作曲「口許を見せて」の紹介ページです。

宅録・DTM

歌入り音源

動画

2023年5月15日公開。

「口許を見せて」コリモセーズ/シラベル (2023-05-15) - YouTube(外部リンク)

説明

3月半ばに試作開始。とはいえ、イラストを描いたりマビノギMML方面の調べ物をしたりしているうちに月が変わってしまい、本格的な作業は4月からに。

アコースティックギターとエレキギターを弾きました。ほか、ベースやキーボードやドラムのパートはフリーのサウンドフォントを使いました。ドラムの音色探しがなかなかたいへん、というより正直なところ気が重くて、ドラムに限らず、MIDIデータ打ち込みで賄う場合の音色選びには、いまだに困っているところです(環境的に不便が多い、というのが大きな理由です)。今作のドラムは、2つのサウンドフォントで出力した音源を重ねあわせることで音色づくりをしました。

演奏や歌唱のパートは、いずれも、複数のテイクのよい部分を選んでつなぎ合わせました。エレキの演奏がパッとしません。サビB(3番では4回反復している部分)や間奏以外のところで、なにをどう弾いたらいいのかアイデアがなく、アドリブで弾き流しているような感じにしかできませんでした。

ボーカルでぐいぐい引っ張っていくタイプの曲だと思うので、伴奏(とくにエレキ)の粗は許容しました。ではその肝腎のボーカルはというと……。曲を書いたころから何度も唄って体に染み込ませているつもりなのですけれど、平易そうなメロディに反して、難しさをつくづく感じます。3番になると集中力が切れがち。歌唱力の問題なのか、曲の(長さの)問題なのか。わたしには判断つきかねますけれど、まっすぐ朗々と唄う曲が、わたしの歌唱スタイルに合わないようだというのもだんだんわかってきて、ちょっとさびしい気分ですね。歌唱スタイルに合う曲ばかり書くというのもよしあしだと思いますし。

曲のなかでの各パート・各部分の適切な音量と、過去作と釣り合う適切な音量とを探るのになかなか苦労しました。ミックスダウンの作業だけで4日間が潰れてしまいました。黙々と作業することそのものは苦痛でなくても、進捗の遅さがじれったくて、もうちょっとなんとかしたいところです。と、つねづね思っているんですけれど、納得できるまで粘ってしまうと、やはり時間をかけてしまいます。ようやく完成したぞ、と思って寝るときに音をチェックしていると、ああっ、ボーカルのここ、やはりもうちょっと音量抑えたほうがいいな、あしたもう1回直そう――なんていう調子なので、どんどん予定がずれていきます。

せっかくの作品の紹介なのに、後ろ向きなことばかり書く傾向があります。できないこと、足りないことばかりが胸にずっとのしかかっているから、どうしてもこういう書きくちになってしまいますけれど、これいいでしょ、ここすごいでしょ、と自賛だけ連ねると鼻持ちならないに違いないし、反省点や失敗談のほうが興味深く読んでもらえるのではないかという考えがあるので、あえてそうしている面もあります。作品を発表するということそのものに、これいいでしょ、の気持ちがすでに含まれているわけだから、それは書くまでもないですしね。(このくだりは、このページに書かずに楽曲紹介ページの読みかたのところに回したほうがいいかな……後日考えます。)

動画は、タイトル表示との兼ね合いで、冒頭に2秒程度の無音を足しています。「このままではどうにもならない」以来の、右側の歌詞表示にしました。べつに気まぐれで変えているわけではなくて、試してみたらこっちのほうがよかったので、そうしました。帯を横にならべてみたのも同様です。あまり動画の装飾で凝ってしまうと、次作以降でハードルが上がって苦しくなるから、なるべく素朴な手法の範囲で、あれこれ試しています。

ギター独奏

2023年4月4日に、ツイッターに音源を載せました。サビの部分をクラシックギターだけで弾いた、1分20秒弱の演奏です。歌入り音源の予告篇、という意味合いも実はあったのですけれど、それから公開までに1ヶ月以上かかって、なんだか空振りしてしまった感じです。

ツイッターのほうがどうにかなってしまったら、当サイト内にふつうの形で載せるつもりです。当面は、リンクだけにします。

MML

マビノギ用MMLとその演奏音源を公開しています。

6人合奏

2020年11月20日版の6人合奏。

演奏音源

冒頭の調律部分を含みます。

口許を見せて_MabiMML.m4a[AAC]
演奏時間
約6分5秒
並び順
前列左端に、マンドリンA・マンドリンB。前列中央に女声。前列右端にフルート。後列中央に、ドラム・リュート。
備考・注記
リュート、ドラムは要チューナー。
現仕様との適合性
(調査予定)
楽譜

説明

マンドリンはAとBでセットです。終始、コードストロークをしています。文字数を削りつつもノリをそこねないように腐心。いちど規定の字数に収めたあとから、間奏の小節数を増やしたりしたので、さらに削ることに……。女声は、ベタ打ちの時点で字数があふれたので、「ザブキエルの楽譜集」使用でいくことに。

間奏になにかが必要、でもマンドリンもリュートも手一杯、ということで、ハモリパートも兼任できる、フルートの追加を決めました。間奏のフルートは、アタック音を強調していて、「飛び込んでゆける」のアプローチにすこし近いものです。

歌詞

隠してる口許を見せて僕に  ここでなら誰にもとがめられない  はずしても放課後くらいはいいだろ  息苦しい毎日  ああ ああ  まだ だめと云う いやと云う  怖いから 距離をとる  またあした さようなら じゃあバイバイ  云われた通りにして  安心しているような  やつらにはなりたくない  だってそうだろ  バランスが悪いよ  ひとつのことに囚われ  寝首を掻かれる  おせっかいなアップデートの微調整  生きるのも死ぬのもカミの手まかせ  世界中はじめからやじろべえだろ  この足で立ちたい  ああ ああ  雨 夕立だ  傘がない 僕もない どうしようか  日常はわがままな空の下  また髪型変えたなあ  これ似合うでしょ  おしゃれもメイクもちゃんと工夫してる  どんなピンチも  軽やかに向きあい  楽しさ見つける強さ  僕にはあこがれ  フリしてる みんなとおんなじように  正義の味方が多すぎるから  恥ずかしい 器のちいさな僕だ  いやなこと並べて  ああ ああ  ねえ これ食べよ コンビニの おいしいよ  手から手へと移された  はげましとモンブラン  隠してる口許を見せて僕に  ここでなら誰にもとがめられない  いつの日か ふつうに戻ればいいね  そんなこと知らない  ああ ああ  いま ただいまが 現在が  どしゃぶりの雨とともに散るのなら  ここに降れ 僕の手に  そばにいて お願いだ ここにいて 怖いから  背にもたれて ぐち聞いて 笑わせて 笑っていて  八重歯さえ忘れてた ほくろさえ忘れてた  まぢかで見る横顔が まぎれなくそばにある  雨がやみ晴れた空 夕映えでほほ染まる  水たまりをはねながら ふたり占め 駆けてゆく


(2023年5月15日、歌詞の変更を文書に反映。「笑わせて そばにいて」から「笑わせて 笑っていて」に。迷っていた時期と、頭のなかでだけ差し替えていた時期が長く、いつ変更したか不明ですけれど、2022年8月ごろには確定していたようです。)

曲のあらまし

2020年7月に、即興的に鼻歌でつくったものが原型となりました。このときは、アイフォーン附属の音楽制作ソフトの、指でこするだけでギターのコード弾きができる機能をつかって、夜中にぼそぼそと唄った記憶があります。9月に完成。メロディはオーソドックスなものです。

2020年に世界を席捲した新種の疫病と、それへの対策による社会の変化に対して、文芸方面のさまざまな作り手が、なんらかのリアクションを作品上で示していくだろうと思います。恥ずかしながら、わたしは話題作やヒット曲をリアルタイムで追いかけるということをしていないので、「だろうと思います」としかいえませんけれど、こういう歌は、おそらくすでにたくさん世の中に流れているのでしょう。

終盤の繰り返しは、「ここにいて ここにいて」みたいなのを連呼しようと考えていたのに、なぜか言葉を詰め込んでしまいました。こんなに長い歌詞を書いたのはひさしぶり。「やじろべえ」という言葉が、ポッと拾えてうまくはまったのがうれしかったですね。一方、中高生の男女の会話の体裁で通したかったところを、どうしても地の文のような独白らしき箇所を混ぜてしまったのが、惜しいところです。でも、錯綜した世界を描くのだから、書きかたも混沌とならざるを得ず、少しとっ散らかるほうがふさわしい、という判断をしました。――判断なのやらいいわけなのやら。

モンブラン」という曲の歌詞を書いたことがありますけれど、もしかしたらこの曲のガールフレンドは、「モンブラン」の歌詞の主人公と同一人物なのでしょうか――べつにエクレアでもプリンでもなんでもよくて、メロディの兼ね合いでたまたまモンブランという言葉を入れただけ、というのがほんとうのところなんですけれど、過去の作品と薄いつながりが生まれることがあってもいいですね。今後そういう例も増えるかも。

作品データ

曲名表記
口許を見せて
曲名かな書き
くちもとを みせて
作詞
シラベル
作曲
シラベル
発表日
2020年9月26日