不在の秋
シラベル作詞・作曲「不在の秋」の紹介ページです。
宅録・DTM
2021年・歌入り音源
動画
2021年12月22日公開。
説明
歌入り音源の6作目です。録音した時期は11月の前半ごろ。
5作目の「このままではどうにもならない」では、〈複数のテイクを切り貼りして一番いい部分をつなげていく〉ことをまったくせずに仕上げました。今回もほぼ同様のスタンスで、その上、メインとなる歌とギターを同時に録音しました。弾き語りスタイルです。メトロノームも使っていないので、のびのびとテンポがゆらいでいます。
口許にダイナミックマイクを、アコースティックギターの近くにICレコーダーを配置して、それぞれの音を録りました。この場合、ボーカルを録るマイクの側にもギターの音が、ギターの側にも歌声がはいることになります。ダイナミックマイクに比べて、ICレコーダーのマイクは、やや離れた位置からの音もけっこう拾うから、ぼやけた響きの歌声がギターに重なります。これがさほど邪魔になっていないのは、動画の音を聴いていただければわかると思います。むしろ、空間の拡がり、ステレオ感がささやかに加わる効果があります。
ダイナミックマイクの音をPCのソフトで録音したものと、ICレコーダーの録音とで、同期をとる(時間軸を合わせる)必要があります。演奏の前後に合図音を入れておくのですけれど、ふたつのトラックをならべると、前後の合図音がぴったり揃わず、尺が微妙に違います。音飛びしているというわけではありません。どちらかの再生周波数を1Hz程度上げ下げして(カセットテープを回す速さをわずかに変えるような効果)、なるべく両端が揃うように調整しています。これは今作に限らず、いつも気を遣うところなのですけれど、今作のように同時に2本録音する形だとなおさらケアしておかないと、不自然な音になりかねません。
今回、ひとり多重録音の3声コーラスをやってみました。ICレコーダーでステレオ録音。それぞれ左右にちょっと寄った位置で唄っています。
それらの仮ミックスを聴きながら、シンセサイザーやクラシックギターを録音しました。シンセサイザーは、わざわざラジカセにつなぎ、スピーカーから出した音を、50センチくらいの距離でICレコーダー録音。違う音色で2回弾いて重ねています。間奏と後奏にだけ入れました。
クラシックギターの録音は、けっこう久しぶりでした。間奏で弾いているのはもちろんですけれど、そのあと最後まで、ベース音をこっそりなぞってみました(間奏とは別テイクを使用)。ちょっと頼りないアコギの低音の補強です。
いろいろ書いたように、録音の時点で空間的効果を多少盛り込んでいますから、今作も、ミックスダウンの工程は音量補正・イコライザー程度にとどまり、リバーブなどの空間系エフェクトは使っていませんし、パンポットもいじっていません。
動画については、終盤に、演奏メンバーなどの表記(クレジット)を入れてみました。メンバーといっても全部わたしなんですけれどね。「シンセサイザー」と書くべきか迷って、総称の「キーボード」にしました。シンセサイザーというとなんか大袈裟なイメージがあり、わたしのぼろぼろのシンセサイザーにはそぐわないのです。いろいろな言葉でいちいち悩みます。「クラシックギター」か「ガットギター」か、とか、「ミキシング」か「ミックス」か「ミックスダウン」か、とか……。
2022年・歌入り音源
動画
2022年9月21日公開。
説明
2022年9月中旬に、ふと思い立ったように録音、ミックス。ちょうどいい時期に公開できました。
3声でハモるスタイルは、2021年のバージョンと同様です。鼻歌みたいにふわふわと唄ってみました。伴奏をすべてエレキギターでつくったのが、このバージョンの特徴です。ボーカルとエレキだけ、といってもエレキ弾き語りではありません。
付点8分の間隔で大きめのディレイが鳴るようにエフェクトをセットして、アルペジオやカッティングやベースやパーカッションっぽい音など、いろんなパターンを録音して、それらを左右に振り分けてミックスしました。意識しないと聞こえないトラックも含めて、11本ぶん重ねています。大半のトラックを省いてシンプルな響きにしたほうがむしろ好ましいのかなと、チラッと思いましたけれど、そういうのはいつでもできるから、今回は、音をたくさん積み上げることで生まれる情緒を大事にしました。トラックごとにギターやエフェクトのセッティングをあまり変えてはいません。
素早く仕上げるつもりで取り組もうとしたのに、ミックスのこまかい調整にやはり何日か要しました。録音した日につくった仮ミックスと、それから3日くらい試行錯誤した成果とを聴き比べて、前のほうがよかったんではないかとがっくりしたり。まあ、よくあることです。
この音源は、《BOOTH》にて、44.1kHz・16bitのFLAC形式のファイルを無料配布しています。オフボーカル版もついています。
2016年・打ち込み版
2016年9月18日に公開した音源。「MIDI」の節に載せている「不在の秋.mid」を、サウンドフォントの音色でオーディオファイル化したものです。
MML
マビノギ用MMLとその演奏音源を公開しています。
6人合奏です。
6人合奏
- MMLの最終更新日
- 2017年10月31日
- 演奏音源
-
冒頭の調律部分を含みます。
- 演奏時間
- 約3分35秒
- 並び順
- 前列左から、女声B・A・C。後列左から、チューバ・シロフォン・リュート。
- 現仕様との適合性
- チューバに修正が必要。くわしくは「説明」の項にて。
- 楽譜
サウンドクラウド投稿版
MusicQ改変前、2016年11月11日時点のものです。
当サイト内にも、サウンドクラウド全曲入りプレイリストを置いています。
説明
チューバで鳴らしているプチプチした音。実は、打ち込み系のドラムのサイドスティックの置き換えのつもりでしたけれど、鈴虫の音のようなシロフォンとあいまって、それとはべつの効果が出たようです。
しかし、2023年1月の64bit改変後はプチプチノイズが鳴らなくなり、さらに同年4月の「不具合修正」によって同音重ねを使ったノートオフが効かなくなったので、チューバのMMLには修正が要ります。いまやドラムも使えるようになっているので、ドラムを編成に加えて、素直にサイドスティックを鳴らして表現するほうがよさそうです。チューバのMMLの16分音符は、3tick(64分音符の半分の長さ)ずらしてv0の音符を重ねることで音を短く切っています。これを64分音符に書き換える必要もあります。チューバパートをまるごと取り払うとちょっと感じが変わってしまいそうなので、ドラムでチューバを補強するような形におそらく落ち着きそうです。
その件とはまた別に、「歌パート除外」機能で文字数が水増しできるようになったころに、シロフォンのMMLをちょっと改良していたので、それもあわせて反映した最新版を載せる――かどうか、いまのところ未定です。
歌詞
夏の行方知れず 長袖 細い腕 これからの季節を なぞる指先 空には届かない これからひとりきり あどけない若葉も 色を失なう 夏が過ぎたあとの 不在をなんと呼ぶ 空白がさびしくて 稲穂が揺れる はちきれた切なさ 実りを産み落とす 寄るべない命を 風がそよと撫でた
MIDI
MIDIファイルを公開しています。
2016年9月15日、作曲時のファイルです。あくまで試作段階のものであり、音をならべただけのベタ打ちなのですけれど、わりと聴けます。宅録・DTMの節の「不在の秋(試作品).mp3」の音は、これをサウンドフォントで鳴らしたものです。
《コリモセーズ/シラベル》は、「不在の秋.mid」を、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスで提供しています。利用規約も御確認ください。
楽譜
メロディ譜です。2021年12月22日掲載。
楽器の指定は一例です。「宅録・DTM」の節の歌入り音源にあわせて、イントロはアコースティックギター、間奏はクラシックギター、と記しています。また、間奏の終わりごろの部分(1ページ目末尾)の拍数は、以前の版ではMML作品に合わせた書きかたをしていました(〈Bsus4〉の部分が2拍)。現在の版は、歌入り音源のほうに準拠しました。
(2022年10月9日更新。上記の間奏末尾の修正。ほか、こまかい修正、レイアウトの調整をしました。)
曲のあらまし
2016年9月作曲。夏が終わり、半袖ではちょっと肌寒くなってくるころの、あの感じを歌にしました。
間奏で変化をつけてはいますけれど、かなりシンプルな「一部形式」の曲。つまり、A・B・サビというようなものでなく、AとA'としかないような構成です。こういう曲がうまく書けるとうれしいものです。
作品データ
- 曲名表記
- 不在の秋
- 曲名かな書き
- ふざいの あき
- 作詞
- シラベル
- 作曲
- シラベル
- 発表日
- 2016年9月17日
関連リンク
- ほかの楽曲紹介ページ(ランダムリスト)