善よ急げ

シラベル作詞・作曲「善よ急げ」の紹介ページです。

宅録・DTM

歌入り音源

動画

2022年8月10日公開。

「善よ急げ」コリモセーズ/シラベル (2022-08-10) - YouTube(外部リンク)

説明

歌入り音源の11曲目です。

2022年6月から制作。1年半くらい前にアコースティックギターを買ったころは、こういう激しめのコードストロークをピックで弾くのにまだ慣れていなくて、すぐピックを落としたり、アップストローク時に詰まったりしていました。いまでも、OKテイクになるまでさんざん弾いて汗だくになっているようなレベルですけれど、多少は慣れてきた感じです。このアコギを生々しくキレよく聞かせられるかどうかが、今回の課題でした。

ボーカルの録音は、いろいろ試作した末、ハモりの2パートについてはポータブルレコーダーの内蔵マイクで、主旋律についてはダイナミックマイクをつないでモノラルで録りました。ギターは、内蔵マイクだとなんとなく音が上品すぎて、ザクザクした音になかなかならなかったので、2種類のマイクをつなげてのステレオ録音。ふつう、おなじマイクを2本使うのですけれど、持っていないからやむを得ず。貧乏くさいですねえ。

ギターは、ひとつのテイクを通しで使い、歌唱はそれぞれ2~3テイクをツギハギしました。

ドラムパートとベースパートは、前作「きのうはYesterday」のときと同様に、別項のMMLをもとにしてMIDIファイルをつくって、フリーのサウンドフォントを用いて鳴らしました。

間奏で登場するのは、「ぽっぽふきふき」でも使ったソプラノリコーダーです。半音下げたチューニング。これもポータブルレコーダーの内蔵マイクで録音しました。ふたつのテイクを重ねています。

サビの「善よ急げーええええー、ええええー」のところが、けっこう難しい。はずみをつけて「えーいえいえー、いえいえー」というような感じで今回は唄ってみましたけれど、やっぱり「ええええー」でいくべきだったかなあ、とも思います。あと、主旋律に対して上でハモる想定をしていたパートを、音域的にしんどいので1オクターブ下げて唄いました。

制作途中の音源をツイッターに2回載せました。わたしのアカウントは「公開しました」「更新しました」ばかりで、「いまつくってます」「いよいよです!」みたいなのが少なすぎるのを反省して――というわけでもないけれど――試験的に今回やってみました。ツイッターに動画をアップロードするのは、ユーチューブにくらべて、放流する感覚がより強くて、ちょっとためらうところもあります。いろいろ気にしすぎなんですかねえ。なお、ツイッターの場合、動画は140秒まで、という制限があります。途中でフェードアウトさせているのは、べつに出し惜しみしてるわけではなくて、仕様上フルサイズが載せられないからです。140秒というのもなんだか中途半端なので、120秒、つまり2分のところで切っています。以下、動画を載せたツイートへのリンクです。


今回の動画のイラストは、鉛筆で紙に描いた線画を(カメラで撮ってペイントソフトに取り込んで)そのまま利用しました。いつもだったら、その線画をペイントソフトでなぞって、ちゃんとした線に直して、漫画っぽいタッチにしているところです。〈確信をもって1本の線を引く〉レベルに至っていないから、なぞるだけでもいつも手間取ります。鉛筆であいまいに重ねた線のほうがごまかしがきく、というのもあるから、今回はこうしました。もともとペンタブを買う以前は、線描を紙でやっていましたし。ただ、このやりかただと、外側を透明にするトリミングの作業がめんどうで、結局、あまり早く仕上がらなかったのでした。というよりなにより、ポーズが全然思いつかなくて焦りました。急げ、といっているからってダッシュしているポーズを添えるのも安直だし。動きのないバストアップだと描くのが楽だけれど、それでは毎回おなじになってしまうし。悩んだ末、走っているところなのか、ケープを肩に羽織ったところなのか、あるいは舞い踊っているところなのか、よくわからない絵になりました。歌も、イラストも、いろんな意味にとれますね(いいわけ)。

MML

マビノギ用MMLとその演奏音源を公開しています。

5人合奏・4人合奏

2019年11月25日版の4人合奏。チューニングフルートをつけ加えた5人合奏は2022年6月3日版。

(2022年6月5日更新:チューニングフルートを追加。ドラムとホイッスルを新版に差し替え。ドラムは、「v15>gg8b+8<av12」の箇所を「v15>gg8b+8v13<av12」に修正――演奏音源の「4人合奏」は、この修正をする前の内容ということになります。ホイッスルは、重複していたテンポ指定のふたつ目を削除。演奏内容に差異はありません。)

演奏音源

4人合奏:

善よ急げ_MabiMML.m4a[AAC]

5人合奏:

善よ急げ_MabiMML-5人版.m4a[AAC]
演奏時間
約4分10秒
並び順
左にホイッスル。中央前にフルート。中央後ろにドラム(とチューニングフルート)。右にリラ。
備考・注記
要チューナー。チューニングフルートを省き、4人合奏としても演奏できます。
現仕様との適合性
(調査予定)
楽譜

サウンドクラウド投稿版

演奏内容は「4人合奏」と同じです。

当サイト内にも、サウンドクラウド全曲入りプレイリストを置いています。

説明

リラでじゃかじゃかとストロークして、フルートでメロを弾く2人合奏、というのが最初のコンセプトでした。とはいえ、それだけで3分も4分も続けると聞き疲れるので、2019年11月に実装されたドラムをさっそく導入してみたら、うまくまとまりました。

入手困難な「ザブキエルの楽譜集(10)」を、どうにかこうにか手に入れてみたはいいものの、もったいなくて……というより使う用途自体がなかなか見つからなくて、持て余しがちになります。(ソロ用譜面を徹底的に作り込む為に使っているひとはいます。)合奏メンバー全員にザブキエルの楽譜集を持たせるというのは現実的ではなく、ひとりぶんだけ楽譜集を持つ形がほとんどになりますから、その1パートにだけ、3倍ならともかくも、10倍の文字数を充てるというのはオーバースペックぎみなのです。実際、この曲のリラ譜面は、無駄遣いといっていいほど、字数をじゃぶじゃぶと消費しています。そもそも、リラを3人か4人ぶんぐらいに分けて鳴らせば普通にできそうなことを、あえてリラ1本でやっています。自分ひとりでまかなえる範囲の少人数編成で演奏できる形に固執しました。それとともに、「楽譜集(10)」の用途として、リラの高速アルペジオの贅沢な使用というのを試してみたMML作品ということになります。

ドラムについては、中盤以降、スネアが16分音符を刻み続けています。聞き取れるかどうかの小さい音です。バスドラムとフットハイハットを交互に打ちながら、スネアをトトタトトトタト……とこまかく連打するパターンを、トレイン・ビートと呼ぶそうです。カントリーやブルーグラス系の演奏によく出てきます。


2022年6月、5人合奏でも弾ける形にしました。もはや「自分ひとりでまかなえる範囲の少人数編成」に拘泥する意味もあまりなくなってきたので、べたっとした単調なフルートの音色にふくらみと残響を与える為に、チューニングフルートを加えました。このチューニングフルートのパートは、いわば「お化粧パート」で、あってもなくても成立します。あり・なしの両方の音源を載せていますから、微妙な違いを確かめてみてください。ほか、ドラムで気になっていた箇所を1音だけ修正しました。

歌詞

できることなんて限られてささいなことで  なにもしなくても陽は昇り世界はまわる  そうしてまごまごとしている間に  黒い炎 ひとり[]き尽くした  なすすべなく またひとり  不得意なことをしないのはずるさだろうし  あらゆる困難の壁を割る強さもないし  火消しにならない水のひとしずく  せっせと運ぶ おろかさとすまなさ  待ってる待ってる ちいさな手を  待ってて待ってて 善よ急げ はげまして  火に油そそぐひとびとが群れて騒いで  他者をあげつらう言葉すら貸し借りしあう  みんなを殺せば火のもとも消える  けれどそうした思いを飲み込んで  せっせと運ぶひとしずく  ひとりを幸福にする為のだれかの犠牲  たのしい生活に色添えるだれかの犠牲  大きさも重さも計れないくせに  なにを正義 美徳と決めつけた  合ってる合ってる 何度も問う  待ってて待ってて 善よ急げ 導いて  だれがこんなこと喜ぶというのか  だけど待ってる声がする  待ってて待ってて 善よ急げ  届けよう 善よ急げ

曲のあらまし

2019年7月作曲。歌詞は11月。最初の歌詞の案は、もっと辛辣かつ寓話的だったのですけれど、それはやめて、いまの形にしました。

無名のクリエイターたち――自分ふくめて――は、創作活動をしながら、こんなことしてなにになるんだろう、という虚無感・徒労感と、それでもつくったものを届けたいんだ、喜んでもらいたいんだ、という情熱とのあいだで、つねに揺れているのではないでしょうか。この歌詞の発火点のひとつとして、そういうテーマがありました。どんな世の中であれ、自分ができることを丁寧に積み重ねるしかありません。ただ、この歌詞は、もっといろんな意味にとれそうです。この歌詞の語り手にとっての「善」って、なんなのでしょう。

作品データ

曲名表記
善よ急げ
曲名かな書き
ぜんよ いそげ
作詞
シラベル
作曲
シラベル
発表日
2019年11月23日