マビノギMMLの調律

オンラインRPG『マビノギ』の演奏システムやMMLに関する記事のひとつです。マビノギで演奏するとき、確率によって演奏が失敗することがあります。演奏失敗かどうかを最初に見極める為に、曲の頭に入れる音「調律」について説明します。

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調律の基本

演奏失敗時の音の変化

「楽器演奏」「歌」スキルおよび「合奏」「合唱」アクションを使うとき、演奏がMMLに書かれた通りに鳴るかどうかは確率で決まります。

演奏が失敗すると、MMLの通りに鳴らなくなります。和音楽器や歌声の場合と、打楽器の場合とで、演奏の変化のしかたが異なります(楽器の分類は、マビノギの楽器の詳細のページを参照)

和音楽器と歌声であれば、ときどき音高が上下にずれます。具体的には、音高を表すアルファベット(ABCDEFG)が隣のどちらかの文字に置き換えられます。たとえば〈c〉の場合は、おなじオクターブ番号の〈d〉か〈b〉になります。〈f+〉なら、おなじオクターブ番号の〈e+〉か〈g+〉になります(e+とfは同じ音)。なお、〈a〉は〈b〉に、〈g〉は〈f〉にのみずれます。

ちなみに、音高を表すアルファベット(ABCDEFG)がMMLのなかで何文字目かによって、上にずれるか下にずれるか分かれるようです。奇数番目にあるなら、下にずれます(〈a〉と〈g〉は例外)。このことは、とくに気にする必要ありません。ちなみに、Nコマンドの音符はどうなのかというと、マビノギMMLのNコマンドのページにも書いたとおり、なんと音が外れません。

打楽器で失敗した場合は、音符の発音タイミングがランダムで前後にずれます。1音ごとに単独でずれるので、ずれが蓄積していくことはありません。音階が弾けるシロフォンも打楽器に属するので、タイミングのほうがずれます。逆に、ドラムは打楽器ではなく和音楽器に属します。

和音楽器でどのように音高がずれるか、イメージしやすいように音で実例を載せました。「調律説明用リュート独奏」は、8分音符の〈ド〉を32回連打するMMLをリュートで演奏した音です。前半は、音が外れなかった場合。後半は、外れた場合の例です。

調律説明用リュート独奏1_MabiMML.m4a[AAC]

MMLで書くと、

MML@l8cccccccccccccccccccccccccccccccc;

という内容の演奏です。失敗時の例で、一部の〈c〉が〈d〉または〈b〉に置き換わって鳴っているのが確認できます。

調律の目的と仕組み

マビノギでの演奏における「調律」とは、「演奏失敗」を早い段階でふるい分ける為に、曲の本篇の前に鳴らす音を指します。調律を鳴らしたときに音の外れに気づいたら、そこで演奏を止めてやり直します。ひとりで聴くならともかくとして、ほかのひとに演奏を聴いてもらう際に、曲の途中で「あっ、音が外れてるみたいです、やり直します」というのはみっともないし、あらかじめ成否を見極められるほうが便利だから、従来、調律が大事になっていたわけです。

「演奏が成功している」と判断するには、「すべて正しく鳴ったのならば、以降も最後まで正しく鳴るだろう、と仮定できるだけの数の音符を鳴らす」ことになります。

たとえば、MMLの冒頭部分に、さっきの「調律説明用リュート独奏1」の例のような記述を入れれば、それが調律になります。〈c〉だけが連打されているか、〈d〉や〈b〉が混じってしまっているかを聞き取って、〈c〉だけが連打されていれば、そのまま演奏を続けます。ほかの音が混じっていたら、すぐに演奏を止めてやり直します。

では、「最後まで正しく鳴るだろうと仮定できるだけの数」とはいくらでしょうか。これについては、48音という説が伝統的に支持されています。わたしも検証してみたところ、ソロでの演奏のときは、48音連続で正しく鳴ったあとに音が外れることは、ほとんどありませんでした。100パーセントとまではいかなくても、実用上、問題のない確率です。

ソロでの演奏の場合は、「スキルの成功・失敗」が数段階で扱われているので、音が外れたときの置き換えの頻度にも濃淡があるようです。一方、(MusicQ改変後の)合奏・合唱の場合は、その置き換えの頻度がつねに高くなるようです。だから、48音も要らなくて、32音程度で問題ないと思います。さすがに16音や24音だと不安があります。

後述するように、現在、ソロでの演奏に調律は必須ではないし、どうしても失敗できない場面というのもそんなにないでしょうから、ソロか合奏かに関わらず、ひとまず「調律は32音くらいあればよい」と覚えておけばいいかと思います。

なんで30音とか50音とかではなく、32音や48音が基準なのか、と思うひともいるかもしれません。ふつうの音符の長さには、全音符(1分音符)、2分、4分、8分、16分、32分、64分……といった種類があります。半分、半分、と分けていくわけです。3等分することもあります。たとえば16分音符を3等分した長さの音符は、3連32分音符と呼ばれます。この長さを48個並べると、全音符とおなじ長さになりますから、いわば48分音符です(48分音符という呼びかたは、ふつうしません)。でも、30分音符や50分音符というようなものは使われません。32分音符なら、32個並べると合わせて1小節ぶんの長さになりますし、64分音符を48個並べ、そのあと4分休符を加えれば、合わせてちょうど1小節ぶんになります。そういうキリのいい音符の数として、32や48という数字が挙げられるということです。32や48を境目として確率が大きく変わるという意味ではありません。

さて、さっきの例のように、8分音符で32音も鳴らすと、4小節もかかってじれったいので、ふつうはもっと短い音を使います。たとえば、32分音符を32個並べれば、ちょうど4分の4拍子1小節ぶんになります。

しかし、32分音符やら64分音符やらをドリルのように連打するのは、あまり聞き良いものではないから、タイで調律音をつなぐのが一般的です。つまり〈c&c&c&c&c&c&c&c&……c〉のようにします。こうすると、ポーンと1音だけが鳴ったら音外れなし、途中でベロロンッとこまかい音が混じったら音が外れた、ということがわかります。前述のように、音が外れたときに一部の〈c〉は〈d〉か〈b〉になり、タイ記号は同じ音高にしか効きませんから、〈c&d&c〉のように置き換わった部分でベロロンッと鳴るわけです。タイでつなぐ手法のデメリットは、タイ記号の数だけ文字数が増えることです。

これも音源で例示します。前半が成功時の調律音、後半が失敗時の調律音です。

調律説明用リュート独奏2_MabiMML.m4a[AAC]

MMLで書くと、

MML@l32c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c;

という内容の演奏です。この例の場合は、32分音符を32個、タイでつなげて並べています。合わせて全音符の長さになります。

〈L32〉を〈L64〉や〈L48〉などにしてもかまいません。音符の長さやタイでつなぐ音符の数については、最終的にはMMLの譜面的な都合や好みで加減するといいでしょう。

これらの例ではテンポ指定がないので、初期値の120がテンポとなります。曲本篇のテンポを冒頭に入れるか、調律の直後に入れるかは、ひとによって好みが違うかもしれません。どんな作品にもおなじ調律を入れたいひと以外は、冒頭にテンポを入れてしまっていいでしょう。そのほうがわかりやすいと思います。速いテンポで調律を鳴らす場合は、64分音符だと聞き取りそこねる危険があるから、ちょっと長めにするほうが安全です。


打楽器には、タイつなぎの調律は意味がありません。音符の発音タイミングが前後にずれますから、聞き取り可能なペースで連打して、発音のタイミングに狂いがないかをチェックするしかありません。64分音符や32分音符のような細かさでは、ゆっくりしたテンポの曲でないかぎり、タイミングのずれが聞き取りにくいと思います。わたしは16分音符の連打を使うことが大半です。16分音符を32音並べるとなると2小節かかり、そのぶん、ほかのパートにも休符を足さないといけません。打楽器調律のめんどうな点です。また、聞き取りやすいように、和音楽器と歌声だけ先に調律してから、打楽器の調律を置く、というのが一般的なパターンでした。

無音調律

演奏成功時に音が(ほとんど)鳴らない調律を、無音調律と呼びます。音が外れたかどうかが、すこしだけわかりやすくなります。

音域外を用いた無音調律

たとえばリュートの最高音域はE7(オクターブ番号7のミ)ですから、その半音上、F7の高さの音符を鳴らすと当然聞こえませんけれど、音を外してE7になったときは聞こえます。それを利用した〈o7ffffffffffffffff……〉という調律も考えられます。これならタイが必要ありません。しかしこの場合、音を外したときにはE7かG7のどちらかになるから、G7の場合はやはり聞き取れません。となると、本当は音を外しているのに気づかないという可能性もあるので、不安が残ります。

〈g〉は〈f〉にしかずれないので、〈o7g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-g-……〉というふうにすれば、音を外したときに必ずF♭7の音高(E7とおなじ)になります。これなら音が外れたときのみ、音が鳴ります。ただ、フラットがつくので、所要文字数がタイつなぎの場合と大差なくなってしまいます。(〈g〉は〈f〉にしかずれないということ自体、知られていないと思うので、こういう調律を使うひとはほとんどいないでしょう。)

女声用の無音調律

音域外の音を使う方法がメリットのみになるのは、女声の調律として使う場合です。女声用の無音調律のMMLを載せます。

MML@,,,l32o3bbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbbb;

これも、音符の長さや数は、都合や好みで変えてかまいません。音高は、B3(オクターブ番号3のシ)でなければなりません。

女声の最高音域はA3なので、B3は発音されません。B3の音を外すと、C3かA3になります。C4ではなくC3なのがポイントです。C3もA3も女声の音域内になります。それで、音を外した場合、外れた音符だけが、アッ……アッ…アッ……というふうに鳴ります。外れなかった場合はなにも鳴りません。これなら気づきやすいし、タイ記号も要らないのでおすすめです。

2016年3月29日のツイート(外部リンク)で、紹介したことが昔ありました。いまだに普及していないようですけれど、おすすめの調律方法です。

男声は、このような手法が使えないので、タイでつないだふつうの調律を使うことになります。

v0を重ねる無音調律

1本の楽譜内で、ふつうの(タイでつないだ)調律と、音量ゼロのおなじ音高の音符をおなじタイミングで重ねると、調律音が音量ゼロの音符で上書きされ、音が鳴らなくなります(最初の一瞬だけ音が出ることもあります)。そして、音が外れたときのみ、先ほどの音源の例と同じように、ベロロンッ、と音が鳴ります。

音量ゼロは、MMLで〈v0〉と指定します。つぎのようなMMLで、この無音調律ができます。

MML@l32c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c,v0c1;

調律とv0の音符を、メロディ、和音1、和音2のいずれのパートに置くかによって、v0の音符で上書きできるかどうかが違ってきます。つまり、無音調律ができる場合とできない場合とがあります。

わたしが確認できた範囲では、このような法則になっているようでした。ごちゃごちゃしていますけれど、基本としては、冒頭に休符もテンポを入れずに、〈メロディ、和音1、和音2〉の順番で、調律よりうしろのパートにv0の音符のパートを置く、と覚えておけば充分です。あるいは、テンポを冒頭に入れるなら、v0の音符のパートに書きます。

v0の音符をわずかに遅らせて(64分休符を前に置いて)重ねると、最初に一瞬だけ音が出ます。「無音」調律とはいえなくなりますけれど、上記のややこしい条件とは関係なしに、遅らせたv0の音符で確実に上書きできます。

また、v0の音符は、調律音より長くても短くても問題ありません。

文字数の消費を増やしてまで、この無音調律を用いるメリットはそんなにないのですけれど、曲のイントロ(とか打楽器調律とか)と並行してこっそり調律したい、というケースで役に立つこともあるかもしれませんし、次項で取り上げるような、音色的に調律が聞き取りにくい楽器で活用する手もあります。また、調律と曲本篇とのあいだには、1小節なりなんなり、間をあけるのがふつうなので、無音調律を使うほうが早いうちに間が確保できて、それも利点といえば利点です。

当サイトの楽曲紹介ページの「MML置き場」の項目で、「無音調律」という注記があるMMLは、この項で説明している調律パターンを使っています。ちょっと字数が余ったソロ演奏や2人合奏で入れていることがほとんどです。

アタックが弱めな楽器向けの調律

無音調律とはすこし異なりますけれど、ついでに紹介します。アタックが柔らかい音色、バイオリン系や、とくにチューニングフルートは、ふつうの調律だと音が外れたかどうか聞き取るのが難しくなります。16分音符など、長めの音符を使ってもやや不安です。

この種の楽器は、3秒前後までしか音が伸びないものが多いので、伸ばしきったときの発音の長さよりも調律を長くすれば、音外れが識別しやすくなります。具体的には、タイつなぎの調律音のひとつ目だけを全音符の長さにして(テンポが速いなら付点全音符)、調律全体の途中で発音が終わるような長さにします。1音でも外れたときだけ、調律の末尾まで音が続くわけです。たとえばつぎのようなMMLを、チューニングフルートの調律に使っています(「倦怠期」「木の芽どき」などに実例あり)

MML@t120l32c1&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c&c;

合奏なら、その楽器の発音が途切れるくらいの長さで、ほかの楽器の調律音も終わらせます。ほかの楽器の調律が鳴り終わったあと、成功していれば静かになりますし、失敗時はその楽器だけ音が鳴り続けています。ベロロンッと音が外れているかを聞き取るのではなく、音が続いているかどうかだけに注意を払えばいいのです。

打楽器調律と同様、調律にかかる小節数がすこしだけ増えてしまいます。なお、チューニングバイオリンの場合は、音がかなり伸びるので、この方法は向きません。

どの音で調律を鳴らすか

ここまでにいくつか出した例の多くは、〈c〉の音符で調律していました。べつに、どの音高を用いて調律してもかまいません。ただ、臨時記号(シャープやフラット)つきの音高を使うと、字数が倍増するので、避けたほうがよいでしょう。それと、楽器の発音域や音色の聞き取りやすさにも留意しないといけません。

あとは、その曲のキー(調)にふさわしい音高を優先的に選ぶと、調律そのものも音楽的に機能します(イントロのイントロ、という感じ)。理論的にいえば、主音や属音などが、その曲のキーにふさわしい音高となります。よくわからなければ、ベースパートで多用されている音から選べばだいたいOKです。この場合も、シャープやフラットのついていない音のほうを優先するのがいいでしょう。

すべての合奏楽器でおなじドレミを鳴らす必要はなく、和音にしてもいいのですけれど、音外れが把握しづらくなりかねないので、1度と5度の2和音程度にするのが無難です。

オクターブ番号については、なるべく音色が聞き取りやすい高さを選びます(調律のあとに最初に出てくる音符のオクターブ番号との兼ね合いもあります。指定によって文字数が増減します)

すべての調律音をタイでつながず、数音に分け、ド、ミ、ソ、のようにフレーズ化させている楽師もいます。

さらに、イントロの最初の1音(または数音)を、タイつなぎの調律音にするという手もあります。文字数が厳しい場合などに有効ですけれど、すぐに止めてやり直せるソロ演奏・少人数合奏向けの方法かもしれません。MML置き場の項目で「イントロで調律兼用」などと書いているのは、これのことです。

大人数合奏なら、打楽器に限らず、いくつかの楽器ごとに数回に分けて調律すると、聞き取りが楽になります。こういった工夫もいろいろとできます。楽師ごとに調律の作法に違いがあって、調律を聞いただけで、誰が演奏しているかわかったりしたものでした。

シラベルの調律スタイル

わたしのMMLに入れている調律の、クセというかローカルルールを記してみます。

昔は、合奏時のタイミングずれ(リーダーずれ)がひどかったので、どのくらいずれたかを把握しやすくする為に、2音か3音くらい、たんたんたーん、と鳴らしていました。たーんのところがタイでつないだ調律音です。最近は、1音で済ませることが大半です。

大人数合奏の開始時、けっこうな遅延、プチフリーズがあります。その間に調律が鳴ると、なにも聞こえないまま進んでしまうことがあるので、最初に休符を入れてゆとりを持たせています。10人規模なら2分休符か全休符を、少人数でもなるべく4分休符くらいの隙間をあけてから調律を鳴らします。ソロか2人、3人程度なら休符がなくても問題ないと考えます。ただ、プチフリーズで調律を聞き逃すというのが、プレイ環境の貧弱さゆえなのか、誰にでも起こるのか、よくわかりません。

女声は、前述した無音調律の方法を使いますけれど、必ず1音だけ、ほかのパートと一緒に、音域内の音符を鳴らします。「女声が(楽器を間違えずに)ほかのパートと大きくずれずに鳴っている」ことを確認する意味もあるし、当サイトで載せているような演奏音源をミックスするときに、各パートのタイミングを揃える目印としての調律音が必要になる、という事情もあります。女声に限らず、おなじ理由で、文字数の都合でやむを得ず調律を省いた場合に、ふつうの1音を「調律もどき」として鳴らす場合があります。

音符の位置の微調整・前倒しを兼ねて、調律音を数個減らすこともよくやっています。調律音にへんな長さの音符を混ぜているのも、たいてい、微調整と字数のやりくりの産物です。

リラやバイオリンのように、ドリルっぽい連打をしてもそんなに耳障りにならない音色なら、タイの数を減らして文字数をケチることもします。たとえば〈l64c&cc&cc&c……〉のようなパターン。16回しか連打していないように聞こえるけれど、実際には32音調律を鳴らしている、というような形です。タイを完全に省く場合もあります。

調律失敗時のベロロンッという音そのものを偶然性の音楽として利用した「G-Zero」という曲もあります。昔は、それだけ調律失敗が身近なことでした。現在では、もう再演の見込みがありません。

MML調律集

前の項でリンクを載せた、2016年3月の女声無音調律のツイートの直前に、MML調律集と題した音源も公開していました。こちらは別段、役立つものではないし、ネタのようなものなのですけれど、音源が入手できないままになっているのもあれなので、過去の記録の意味でここに再掲載します。

2016年3月までのわたしのMML作品から、調律部分だけを拾って並べたものです。当時は、サウンドクラウドに演奏音源を載せていて、そちらでは調律部分をカットしていたので、その補完も兼ねて、こんなのをわざわざ用意したのかもしれません。

MML調律集.mp3[MP3]
  1. 基本パターン(たんたんたーん)……「夕陽のなかへ
  2. 基本パターン(たんたーん)……「北風のリングワンダリング
  3. 基本パターン。男声のタイミングは2・3音目で確認……「時の浪
  4. すこしひねった基本パターン……「チュニックの柄は雨模様
  5. (女声・打楽器つきの8人合奏の)基本パターン……「360°
  6. 打楽器つき調律……「週末の予約
  7. 打楽器つき調律。すこしひねる……「あてのない旅路
  8. 打楽器つき調律。曲のムードの予告……「ベヤニ・サンラン
  9. メロディを取り入れた調律……「カエルよ 海へ往け
  10. メロディを取り入れた調律……「たなばたさま
  11. 基本パターンをキャッチーなリズムで……「トトンの遁走
  12. リラはタイでつながずに連打(字数節約)……「きつねの嫁入り
  13. 打楽器の連打からそのまま曲になだれこむ……「被写界深度
  14. こっそり意味を仕込む……「凍りついた時計の針
  15. 調律まるごとイントロにする……「リリッツ1」(独奏版)
  16. 時報……「SAOタイアップの歌」(サイトで公開予定なし:ある楽師のかたの自作曲のカバー)

イントロのイントロとして、調律そのもので遊ぶ例も、ここにいろいろと出てきます。あくまでも2016年時点の話であり、サイトに載せている現バージョンのMMLの多くは、もうすこしシンプルな調律にしています。

なくなりつつある調律

これまで紹介してきた調律は、マビノギMML界の偉人たちが編み出して定着させてきた技なのですけれど、時代は移ろい、いまや演奏会における調律の意義は、女声・男声を除いて皆無になりつつあります。音外しを絶対しなくなるアクセサリー「ハメルンのチューナー」が普及し、演奏会で演奏をしたり手伝ったりするひとたちのほぼ全員が持っているからです。また、ソロ演奏なら、バフスキルを使えば音は外れません。そのほかにも、音が外れない手段がいくつかあります。フリースタイルジャムを活用する手もありますしマビノギのフリースタイルジャムによる演奏のページを参照)、あまり使われませんけれど「王立音楽協会の楽譜スクロール」というアイテムもありますマビノギの楽譜スクロールについてのページ参照)

チューナーが効かない女声・男声が含まれる場合に「調律でやり直しがあるかもしれません」などとわざわざ断りを入れる光景も見られるようになりました。わたしが楽師活動をはじめたころは、合奏で100回連続調律失敗して楽譜スクロールがつぶれる、なんていうシーンもあったのですから、隔世の感があります。

演奏会で、事前にメンバーを揃えられるなら、チューナー装備の確認もできますから、あらかじめ調律のないMMLを用意しても問題ないですけれど、わたしはいつも壇上で募集するので、チューナーを持っていないひとでも参加できるようにと、なるべく調律を入れています。調律を入れていない場合は、自キャラが優先的にその楽譜を担当するか、チューナーが必要な旨を募集時に告げます。そもそも「調律ありますのでチューナーないかたも気軽にどうぞ」とわざわざいうのはめんどうだし、それがもともと前提と、いまでも思っています。

チューナーはゲーム内で常時入手可能な方法がなく、ランダムボックス(いわゆるガチャ)から出るもので、プレイヤー間取引で買うにはそれなりの資金が要ります。チューナー装備を前提にすると、新規のひとをシャットアウトすることの遠因になります。実際、チューナー登場前夜には、そういう不安の声もけっこうあったのを覚えています。

やがてチューナーが普及していって、常連楽師はことさらにチューナーの話を持ち出すようになったし、合奏を手伝うひとが、すみませんチューナーないです、なんていうふうに前もって詫びを入れるシーンも見られるようになりました。

MusicQ改変後、楽器演奏1ランク・音楽知識1ランクでの合奏成功率は、98パーセントか99パーセントぐらいあります。演奏1・知識6でもかなりの成功率です。知識1はなかなか困難ですけれど、6までならがんばればなんとかなります。わたしのように(魔法音楽効果が楽譜につかないように)知識A以下にとどめていると、たまに失敗があるという感じなので、チューナーをつけるほうが安心ですけれど、全体的に見れば、MusicQ改変で素の合奏成功率が上がり、チューナーの優位性がちょっと下がったことになるはずです。それでもなお、チューナーがないと迷惑がかかる、手伝いは控えるべし、というような暗黙の了解があるとしたら、なんだかもったいない気がします。

近年、ゲームシステムに大胆な調整がはいることが多く、全体的に(エンドコンテンツはどうだか知りませんけれど)めんどうな要素が撤廃される傾向があるので、演奏失敗という仕組みについても、今後さらなる変更が行なわれるのかもしれません。さすがにわたしも、演奏パートナーと弾く用の2人合奏なんかは、律儀に調律を入れることも少なくなりました。

調律という手法がほんとうに過去の遺物になっても、当サイトに載せているMMLの調律部分をいちいち削って載せ直すかというと、たぶんしないと思いますから、こういうシステム、こういう文化があって、MMLの冒頭がそのような冗長な記述になっているんです、という歴史的経緯を(マビノギを知らない、MML研究家のかたへ)紹介する意味も兼ねて、このページを書きました。